ライフスタイルと仕事が直結する
ファッションモデルのパトリシオ。

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ファッション誌を中心に活躍するモデルのパトリシオさん。今年で活動歴18年目を迎える長いキャリアを誇り、さまざまな媒体やブランドから厚い信頼を寄せられる。サーフィンやゴルフといったアクティブな趣味を生活の一部としながら、3児の父としての顔も見せ、充実した日々を送っているようだ。そんな彼はYES GOOD MARKETの初回である2016年から毎年参加している。イベントと同じ価値観を持ち、いわばアイコンのような存在であるパトリシオさんの経歴からモデルとしての考え方、ライフスタイルまでをご紹介しよう。

モデルとして大事にしているのは
ありのままの自然体であること

パトリシオさんのモデルとしてのスタートは、17歳で現在の事務所に所属したところからはじまるが、実はそれ以前にカメラを前にした貴重な経験を積んでいる。
「不思議な話なんですけど、モデルをはじめる前にファッション誌のある1ページを見ていたらビビビっと来て。モデルを志望していた訳じゃなくて、この仕事をやるだろうなって自然と感じたんです。その後、現在はDIOR HOMMEのアーティスティックディレクターに就任したファッションデザイナーのKim Jonesと、Lady GagaなどのスタイリストやDIESELのアーティスティックディレクターをやっていたNicola Formichettiたちに、イギリス発のファッション誌に出てくれないかって声を掛けられて歌舞伎町で撮影をしたんですよ。それがはじめての撮影で、今考えてみるとすごすぎるスタッフ陣でした(笑)。その後、今の事務所にスカウトされて所属するようになり、本格的にモデルとして活動しはじめたんですよね」。

それ以降、モデルとして長年活躍している彼だが、その職業は表現力が重要となる。そこに対して心がけていることがあるそうだ。
「自分自身が無理をせず自然体でいることが肝心。その服をカッコよく見せるという大前提がありますけど、僕は僕なので背伸びをした違うスタイルに見せることはできません。洋服と自分らしさや、現場の空気感とのバランスをうまく調整しながら表現しています。撮影はチームプレイなのでスタッフ全員との一体感が生まれた瞬間が気持ちいいんです。モデルというお仕事はいろんな洋服を着ることができるのが単純に楽しいです。僕が着た服をみんなに見てもらって、カッコいい、この服が欲しい、こんなライフスタイルを送りたいって感じてもらえるといいなと思っています」。

茅ヶ崎での暮らしが
自分らしさとマッチ

そのモデルとしての姿勢をキープする上で、サーフィンは欠かせない要素だと言う。
「東京に住んでいた頃に何度かショートボードをやっていましたが、4年前に茅ヶ崎に引っ越して来てからロングボードにどっぷりとハマりました。ショートボードにもロングボードにも、それぞれにボードの種類があるんですけど、僕はロングボードのシングルフィンを愛用しています。特徴としては、ゆったりと長く波に乗って、大きくカットバック(ターン)してまた波に乗っていく。ショートボードはスケートボードのランプに近いものがあって、がんがんトリックを決めていくスタイルの人が多いんですけど、僕はロングボードのほうがライフスタイルと合っているのか、自然とこのスタイルにハマっていました」。

「茅ヶ崎に住んでからライフスタイルが変わりました。朝起きてサーフィンをしてから仕事に行って、夕方に帰って来ていい波があったらまた乗って。東京に住んでいた頃は、夜遅くまで飲んで翌朝眠気と戦いながら現場に向かう日々。朝はギリギリまで眠っていましたが、茅ヶ崎に住んでから朝の時間を有効活用できるようになりました。この生活リズムを送るようになってから考え方も変わりましたよ。波がいい日と悪い日があって、いい波が来ていたとしてもうまく乗れないこともあって。それは仕事も一緒で、納得できる結果を残せなくて悔しい思いをした時も、またいい波がくるだろうって次に備える前g3心構えができるようになりました。もともとストレスを抱えるタイプじゃないんですが、東京よりも茅ヶ崎で過ごすほうが肌に合っていると感じています」。

親交の深いSEE SEEの
ストローハットをリサイズ提案

パトリシオさんとSEE SEEとの出会いは、YES GOOD MARKETがきっかけ。
「Varde77というブランドが大好きで、デザイナーとも仲良くさせてもらっているんですよ。そのブランドが2016年のYES GOOD MARKETに出店することになって、僕も一緒にフリーマーケットで参加しました。みんなで静岡に前乗りして飲んでいた時にヒロさん(SEE SEEディレクターの湯本さん)とはじめて会って、自分と同じ空気を感じたのですぐに打ち解けました」。

「SEE SEEのプロダクツは、ありそうだけどないモチーフ。そこにヒロさんの人柄が出ているというか、どこか温かみを感じます。見た目はシンプルな一輪挿しやウェアのデザインですけど、実はギミックやサイズ感にすごくこだわっているところがヒロさんらしい」。

毎日たくさんの洋服を着用していて、目が肥えているであろうパトリシオさんだが、SEE SEEのアイテムを毎日のように着用していると言う。そんな彼からの提案によって、昨年リリースされたストローハットがサイズを変えて再リリースされた。
「SEE SEEのストローハットのデザインがすごく気に入っていたんですけど、僕にとって少し被りが浅くて。しっかりと被れるくら
い深いシルエットのほうが個人的に好みなんですよ。それをヒロさんになんとなく話したらサイズを変えて作ってみることに。デザイン自体は変わっていませんが、クラウンを高くしてブリムも広く設計してもらいました。完成してみたら、ヒロさんも気に入ってくれたみたいです。毎日被りたくなるくらい気に入っています!」

そんなSEE SEEと密な関係を築くパトリシオさんは、もちろん今年もYES GOOD MARKETに足を運ぶ。
「YES GOOD MARKETは、別の世界に来たかのようにゆっくりとした時間が流れています。会場のみんなの歩く速度もゆっくりに感じるくらい(笑)。静岡の人たちも本当にいい人ばかりだし、すべてにこだわりを持っているショップやアーティストが集まっているイベントだから、どこのブースに行ってもおもしろいんですよね。一箇所で数十ものショップの個性を楽しめる機会って、他にはなかなかないと思います。いろんなショップの人やアーティストの方々と話して、お酒を飲みながら美味しいものを食べられるのが最高だし、今年も楽しみたいと思います!」

PHOTO/RYO KUZUMA TEXT/SHOGO KOMATSU