街に映えるエスニックの古着を
現代的な解釈で再構築するFreada。

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アメカジを軸に、ファッションからライフスタイルまでを提案するセレクトショップ、FREAK’S STORE。厳選された国内外のブランドがラインナップし、別注アイテムにも人気が集まっている。そんな人気店が2017年にハウスブランドであるFreadaを設立。エスニックテイストの古着を独自に解釈したウィメンズブランドで、U.S.がバックボーンであるFREAK’S STOREのアイテムとはひと味違ったデザインで注目を浴びている。それを手掛けるのが小笠原 希帆さん。FREAK’S STOREの名プレスとして長年活躍していた彼女がブランドの立ち上げから携わりディレクションをおこなう。そこで改めて、小笠原さんにFreadaに込めた想いを聞いてみることに。

FREAK’S STOREの系譜を受け継ぎ
古着を背景にしたFreadaを設立

現在は全国に40店舗以上を展開し、アメリカの偉大な産物であるファッションやカルチャー、ライフスタイルを発信し続けているFREAK’S STORE。1986年の創業当時は古着が多くラインナップしていたが、今となってはセレクトブランドやオリジナルブランドが中心となっている。それがFreadaを設立した理由のひとつに繋がる。
「古着がルーツにあるお店なのに、その要素が薄まっているという認識が社内にありました。それで、原点となる古着のエッセンスを含んだブランドを立ち上げることになって、毎日古着を着ていた私に声が掛かりました」。

こうして古着の要素を含んだブランドを設立するプロジェクトがはじまり、Freadaが誕生した。アメリカのブランドを多く取り扱うFREAK’S STOREだが、Freadaはエスニックがキーワード。それが今までとは異なる空気感を醸し出し、新鮮さを与えているようだ。
「Freadaがエスニックなのは、私自身エスニックの古着が好きでよく着ていることも理由のひとつにあります。日本人じゃ思いつかないような生地と生地を組み合わせた服や、すばらしい手刺繍が施されたもの、そしてなによりダイナミックな色使いが魅力。古着は一点物が多いけれど、特にエスニックの古着は希少性が高いものが多いんです。でも、民族衣装のデザインを街で気軽に着てもらいたい。例えば、結婚式で着るドレスやお祈りをする際に着るチュニックのデザインを私服として着ていたらかわいいと思うので」。

ユーズドやヴィンテージをベースにしたプロダクトだが、そこにはこんなこだわりを込めているそうだ。
「古着を忠実に再現したところで本物には勝てないと思っています。だから、毎日古着を着ていて感じたことを現代的にアップデートしたアイテムを展開しています。せっかく新品として作るなら、デザイン性だけじゃなくて着やすさも重視したい。軽量なファブリックを使ったり、ジップを搭載したり。すべて手刺繍にすると重いので一部をプリントにするとか。あとは現代的なシルエットやギミックも採用して、快適に着られるように工夫しています」。

強い女性を象徴する
フリーダ・カーロの存在

そんなFreadaは、1900年代に活躍していたメキシコの女性画家、フリーダ・カーロがアイコン。そもそもブランド名は、FREAK’S STOREが展開するFreadaという語呂の良さに加えて、彼女の名前もブランド名の由来となっている。
「フリーダ・カーロは、当時からしたらとても情熱的で先進的な考え方を持っていた人。旦那さんがいるのに、彼女もいたみたいなんですよ。そういう自由な考えの持ち主で、描いている作品も『それを言っちゃってもいいんだ』って感じるほど強いメッセージ性があって。トリッキーで強い女性の象徴なんです。私も彼女のようにしっかり自己表現をして、ちゃんと物事をはっきり言える女性になりたいと思っています」。

静岡には感度の高さと
コミュニティの強さを感じる

今年のYES GOOD MARKETにも、FreadaはFREAK’S STOREとともに出店する。これまで3回もYES GOOD MARKETに参加してきた小笠原さんは、こんな印象を持っているそうだ。
「最初にYES GOOD MARKETに参加して感じたのは、オシャレな人が静岡にたくさんいるということ。そういう人たちが地場でコミュニティを確立しているのはすごいなと思いました。ショップ同士の横のつながりも強くて、みんな顔見知りというのもいいですよね。協力してポップアップを開催するし、気軽に別注を作っているし。そういう動きは東京じゃなかなかできないこと。でも、今はそれが求められていることだと感じています。コミュニティ同士が結託して、和気あいあい楽しそうに物作りをしている姿こそがお客さんに届くはずです。そういうふうに強く結びつくことが今っぽいのかなって思います」。

「YES GOOD MARKETへ遊びに来る人は、ライフスタイルを充実させたい人やいいモノを使いたいって考えているファッション偏差値が高い人ばかり。そういうお客さんたちや他の出店者と共感できる空間が楽しみ。Freadaを知らない人に見てもらえるいい機会だし、新しい繋がりを期待しています」。

https://www.freaksstore.com/

PHOTO:DAIKI KATSUMATA TEXT:SHOGO KOMATSU