フレキシブルなスタンスを持つ
fridge setagayaの“らしさ”。

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440年以上の歴史を持つ冬の風物詩「世田谷ボロ市」が開催され、老舗の飲食店が軒を連ねる地域密着型の街、東京・世田谷の上町。その土地に店を構えるのがfridge setagayaだ。国内外を問わないブランドの定番から新作、さらには古着や雑貨までを混在させ、店名のfridgeが意味する“冷蔵庫”を体現したセレクトで人気を誇っている。ここの店主、熊坂 スグルさんに話を伺い、さまざまなブランドやカテゴリーを織り交ぜた、個性豊かなセレクトをする理由を探ることに。

地方セレクトショップの
ケースモデルを目指して

長年ファッション業界に携わり、そのセンスは業界内から厚い信頼が寄せられている熊坂さん。
ここfridge setagayaは2015年にオープンしたが、まずは熊坂さんのそれまでの経歴について教えてもらった。
「文化(服装学院)を卒業後、FREAK’S STOREに入社。そこからBEAMSに転職して15年くらい働きました。BEAMSを退社してからは、アウトドアファッション誌〈GO OUT〉でエディターを半年くらいやりまして。それから、いろんなブランドの営業を代行する会社、ドナを設立。2年くらい1人でやっていて、スタッフが増えたのでセレクトショップのfridgeを立ち上げました。最初はfridge setagaya sakuraをオープンして、次にfridge setagaya centralをスタート。 最終的に3号店まで展開しましたけど、今はここのfridge setagaya centralだけにし、お店の名前を〈fridge setagaya〉としました」

ブランドの営業代行会社がはじめたセレクトショップ。人気ブランドから古着、日用品に食品までがラインナップしているが、そこにはこんな想いが込められている。
「おこがましいですけど、似たようなラインナップのセレクトショップが多いから、そういったお店が笑ってくれるお店を作りたかった。例えば、アウトドアや、ランニング。ライフスタイルや、ファッションでも〇〇系みたいな。ブランドの指名買いを狙うような作り込みって大手に勝てないじゃんって。その決まったセレクトをしているお店は、場所が違うだけで札幌にも熊本にも、全国に数え切れないほどありますからね」

「だから、例えばcrepusculeの隣にCHUMSが置いてあって、さらには食品とか日用品まで売っているセレクトショップをやりたいと考えました。ブランド側は独自性をおもしろがってくれていますよ。そのこだわりはお客さんには分かりにくいかもしれないですけどね(笑)。まあ、コーヒーを片手にタバコを吸いにくる人が溜まるような、近所のタバコ屋みたいな感覚のお店でありたいです」

セオリーに従ったセレクトではなく、ただ単純にいいモノ・好きなモノだけを取り扱い、自由気ままにセレクトをしたい。そんな考えがあるからこそ、ジャンルやカテゴリーに縛られず多彩なエッセンスを織り交ぜたラインナップになっている。
「FREAK’S STOREやBEAMSにいて散々アメリカものを見て来たから、海外ブランドを取り扱うならできるだけそこから離れたいという気持ちがありました。ヨーロッパのブランドをセレクトしようとするけど、結局アメリカのブランドが良く見えちゃうところに自分もイライラして。まあ実際それがおもしろいんですが。日本のファッションの下地にアメリカがあるからかもしれないですね」

「あとセレクトする最低限の基準は、洗濯できる服ってことですね。基本的に洗濯ができない繊細な服は苦手です。でも正直、あんまりセレクトにこだわりってないんですよね」

無理にお客さんの幅を広げず
それぞれの地域に根づけばいい

こだわりがないと言うものの、柔軟で個性を表現したブランドチョイスを心がけている。そして、元来の姿である営業代行会社としても、ドナならではの信念があるようだ。
「他の営業代行の会社って、たぶん大阪とか名古屋には行っているんでしょうけど、他の地域に顔を出してオーナーやバイヤーさんと直接話をしているところは少ないって聞きます。だから年に1回は必ず、ブランド卸先のお店に挨拶しに足を運ぶって決めています。僕自身が車でキャラバンするのが好きっていうのも理由にありますけれどね。静岡には取り扱っているブランドの卸先も多いから、YES GOOD MARKETの出店と合わせてお店に挨拶して回っています」

fridge setagayaではSEE SEEのプロダクトも取り扱い、YES GOOD MARKETにも初回から参加する。
「YES GOOD MARKETは雰囲気がいいですよね。静岡の人ってフレンドリーだから、遊びに行く感覚のいいマインドで参加できています。でも、参加することでお客さんの幅を広げようとは思っていませんよ。お客さんはその土地に付いてくれていればいいので。イベントを通してうちのお店のことを知ってくれて、後日東京に来たときにお店に来てくれていたら嬉しいけど、普段は地元のお店で買い物をしてもらいたいと思っているし、そのお店とともに気になる店になってくれたら嬉しいしね」

information

fridge setagaya
住所:東京都世田谷区世田谷1-22-5
営業時間:12:00〜20:00
定休日:不定休

PHOTO/RYO KUZUMA TEXT/SHOGO KOMATSU