人やモノを繋いでハブの役割となる
コーヒーショップCoffeeSupreme。

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1993年、ニュージーランドで創業したコーヒーショップ&ロースターCoffeeSupreme(コーヒースプリーム)。ニュージーランドの首都ウェリントンをはじめ国内で4店舗、そしてオーストラリアのメルボルンやブリスベンなどで展開され、2017年10月に渋谷へとオープンした。そのアジア初出店に大きく貢献したのが松本浩樹さん。現在ニュージーランドと東京の2拠点で生活する松本さんが、東京へCoffeeSupremeを誘致した理由は、“ちょっぴりラフで気取らない、でもなんだかカッコいい”、リアルなオセアニアのカルチャーを伝えたかったから。

味から接客、デザインまで
細部に気を配った店づくり

2014年にニュージーランドへ移住した松本さん。その当時は、現地のCoffeeSupremeへ足繁く通うお客さんのひとりだったそうだ。
「コーヒーがおいしくて、お店もスタッフもカッコよくて、ホスピタリティも最高だからとても気に入っていて、こんなコーヒーショップを日本に出店したらおもしろいんじゃないかとぼんやり考えていました。ある日、たまたまCoffeeSupremeの社長を紹介してもらう機会があり、日本に出店したいと片言の英語で本気の気持ちを伝えました。社長も日本が好きだと言ってくれたのですが、なかなか話が進まず、トータル3年くらい口説き続けまして……(笑)。やっと2017年に東京出店が決まりました」。

「CoffeeSupremeはクリエイティビティにこだわっていて、発想にユーモアがあるんですよ。現地では元プロスケーターや家具職人、デザイナーなどいろいろなバックグラウンドを持ったスタッフが働いています。だからD.I.Y.精神が強くて、ダサいモノや既製品は好きじゃない。マグなども自分たちでデザインしていて、細部にまでこだわっています」。

随所に落とし込まれている
ユーモアを感じるデザイン

CoffeeSupremeはオリジナルグッズも展開し、どれも洗練されたグラフィックとセンスあるデザインが際立つ。
「東京店では、長崎県の伝統工芸、波佐見焼で作られている食器ブランドHASAMIとコラボレーションしたこだわりのオリジナルマグを使っています。他にも〈MUGS NOT DRUGS〉(ドラッグをやるよりマグを持っている方がカッコいい)というメッセージでユーモアを落とし込んだオリジナルスタッキングマグも使用していて、そのユーモアもCoffeeSupremeの特徴のひとつ。紙コップの底面やコーヒー豆のパッケージにもちょっとした遊び心が潜んでいます」。

オリジナルグッズのデザインは、コーヒーショップだけれど、コーヒーに関連したモチーフを採用していないものが多い。
「オリジナルグッズは、スタッフがプライベートで着たい、カッコ良いと思えるものだけを作っています。そして自分たちがリスペクトできるカッコいいと思うブランドとは積極的にコラボレーションしています。だから僕も、東京進出の際は好きなクリエイターさんたちと一緒に仕事をしたいと考えていました。それで最初は、一番好きなアーティスト、花井(祐介)さんにイラストを依頼。それを使ったTシャツやトートバッグ、ステッカーなどのグッズを製作しました。さらに、CoffeeSupreme設立25周年と東京店1周年を記念して、創立者の2人と本国のメンバー、そして東京店の立ち上げメンバーが並んだイラストを再び花井さんに描いていただき、コラボレーション第二弾としてグッズにしました」。

スペシャルティコーヒーを
身近に感じてもらう提案も

そんなデザインやグッズにこだわるCoffeeSupremeだが、もちろんコーヒーの味にも抜かりない。
「メルボルンの自社焙煎所でローストしたコーヒーを毎週入荷しています。店頭で提供しているメニューに特徴があるのは、オセアニアのコーヒーの飲み方として有名なフラットホワイトとロングブラック。フラットホワイトはラテよりもミルクの量が少なく、ミルクコーヒーでありながらも、しっかりとコーヒーを味わえます。ロングブラックはエスプレッソとアメリカーノの中間で、薄すぎず濃すぎない口あたりが特徴。ニュージーランドでロングブラックを注文すると、エスプレッソとお湯が一緒に出てくるんですよ。飲む人が好みに合わせて調節するのがポピュラーな飲み方ですが、CoffeeSupremeではお店が提案するベストな濃さで提供しています」。

お店で提供しているのはスペシャルティコーヒー。しかし、スペシャルティコーヒーと聞くと少しハードルを高く感じてしまう。そこで新しい提案としてはじめたのがインスタントコーヒーの販売。
「CoffeeSupremeはスペシャルティコーヒーに対する意識のハードルを下げる努力をしています。コーヒーを飲む場面って、もっと日常に寄り添ったライフスタイルだと思うので。ひとりでも多くの人が手軽にスペシャルティコーヒーを楽しんでもらうためにはどうしたらいいか? と考えた結果、インスタントコーヒーもひとつの提案です。インスタントっておいしくない印象がありますが、手軽さを考えると最適。キャンプや旅先でおいしいコーヒーを飲みたくなったら便利というアイディアからはじまり、開発に3年くらいかかりました。一度抽出したスペシャルティコーヒーをフリーズドライする特殊な工程で製造しているので、お湯だけでなく冷たい水や牛乳にも簡単に溶けて、手軽においしいスペシャルティコーヒーを楽しむことができるんです」。

人と人が数珠繋ぎとなって
新しいコトを生み出したい

CoffeeSupremeはコーヒーショップだが、提供したいのはコーヒーではない。それこそがショップの理念となり、ホスピタリティの高さを生み出す。
「コーヒーがもたらしてくれる人との繋がりこそ、私たちが目指している理想です。お店は横長のカウンター席がメイン。だから、お客さんとフラットな関係を築くことができ、その挨拶や会話などコーヒーに付随するプラスアルファを一番大事にしています。自分たちがハブになりたいんですよ。いろんなお客さんに来てもらいたいですし、花井さんのようなアーティストもコーヒー片手に知ってもらいたい。ここが人と人が繋がる空間になれば嬉しいです」。

今回のYES GOOD MARKETに初出店するCoffeeSupreme。コーヒーをはじめ、さまざまなモノを準備しているそうだ。
「YES GOOD MARKETは知り合いが参加していて、インスタグラムを見ると楽しそうだったから、どうやったら参加できるのかなって考えていました(笑)。だからヒロさん(SEE SEEのディレクター湯本さん)に誘っていただけて本当に嬉しかったですし、楽しみでしかない。コーヒーはもちろんですが、BONGINと考えたクラフトジンのコーヒーカクテルも用意します。あと、試作の完成が間に合えばコーヒーゼリーなんかも提供したいですね。店頭で好評いただいているTシャツやバリスタソックス、マグなどのオリジナルグッズも持って行こうと考えています。また、今回“泊まれる本屋”をコンセプトにしたBOOK AND BED TOKYOさんとの共同ブースなので、コラボレーションしたキャニスターもなどを販売します」。

「ニュージーランドでは、いろんな街で毎週マーケットが開催されていて盛り上がっています。でも日本ってそういうカルチャーがまだまだ浸透していないので、YES GOOD MARKETがケースモデルとなればいいなと思います。そのためには、まずは僕らが楽しんで、イベントを盛り上げたい。そして、今後YES GOOD MARKETでの繋がりから新しい何かが生み出されていけばいいなと思います」。

Information

CoffeeSupreme Tokyo
住所:東京都渋谷区神山町42-3-1F
営業時間:8:00〜19:00
定休日:無休

https://www.coffeesupreme.com/tokyo

PHOTO/RYO KUZUMA TEXT/SHOGO KOMATSU