静岡の食材を使った料理と特別な体験を。
コース料理“YES GOOD TABLE”。

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今年のYES GOOD MARKETでは、“YES GOOD TABLE”と題した完全予約制の限定コース料理が振舞われる。野外イベントでコース料理とは正直意外かもしれないが、大自然の中で本格的な料理に舌鼓を打つことができ、その特別感こそが他では味わうことができない非日常となる。この食事を手掛けるのは、鈴木鉄平さん・堀田裕介さん・ペルチさんの3人。使う食材は静岡県産だけで構成され、その産地を直接訪ねて素材を吟味することからすでに準備がはじまっている。3人が生産者と直接顔を合わせてみた感想や、食事の内容を少しだけ教えてもらうことに。

コースを手掛ける3人は
“地産地消”が共通点

−−今回のYES GOOD MARKETではコース料理を提供するということで、この3名で食材探しからメニュー決め、そして当日の調理までをおこなうそうですね。まずは、それぞれの自己紹介をお願いします。

鈴木鉄平(以下鈴木)「横浜を拠点に青果ミコト屋という青果店をやっています。実店舗は構えておらず、個人宅配をしたり飲食店に納めたりしていて、イベントに移動式八百屋としても出店しています。青果は市場から仕入れるのではなく産地に直接足を運び、農家さんと話しながら実際に自分の口で味を確かめています。そして野菜だけでなく、その野菜が育ったストーリーを仕入れたいと思っています」

堀田裕介(以下堀田)「僕は店舗やイベントなど、食にまつわるプロデュースをしています。YES GOOD MARKETのようなイベントに出店したり、全国各地の町おこしイベントに協力したり、老若男女の幅広い層に対して食の多様性やおもしろさを伝えています。それ以外に、自分たちでお米の生産をしたり、“EATBEAT!”という食と音楽のイベントを主催したりしています」

ペルチ「僕はもともとネルドリップでコーヒーを提供する喫茶店で働いていて、今はバーテンダーとして店舗を構える準備中。友人のお店でスタンダードなクラシックカクテルを現代風にアレンジしたドリンクメニューを提案していたり、週末はイベントやポップアップでゲストバーテンダーとして、その地域特産の果物や地酒を使ってオリジナルカクテルを作ったりしています。なので、今回はコース料理のドリンクを担当します」

地元の素材を使った料理は
生産者たちの人柄も隠し味

−−みなさんは、普段からさまざまな土地に赴いて、その地域ならでは食材を使っていますが、その魅力を教えてください。

堀田「僕は大阪に住んでいるので、日常で見かける食材は、大量生産されていたり季節に関係なく出荷できたりするものばかり。でも実際に産地まで出向くと、そこでしか流通していない食材と出会えます。だから産地に行くと宝の山。普段は手に入らない食材とたくさん出会えるので、それを組み合わせて作りたい料理を考えるのがローカルの楽しさです」

鈴木「そうですね。産地に足を運ぶとインスピレーションがたくさん湧いてきます。地元の人たちにとっては当たり前の食材や調理法が、僕らにとっては新鮮で感動的。現地でその感動を表現すると地元の人たちも喜んでくれて、食材やその土地の魅力を再評価するきっかけにしてもらえることもあります」

ペルチ「ドリンクも材料によって、まったく変わりますからね」

鈴木「あと、産地を訪れて、どういう人が育てているのか人柄を掘り下げて行くのも楽しいです」

堀田「よく鉄平さんと一緒に産地を巡っているんですけど、生産者に対してギリギリまで攻めた質問をするんですよ(笑)。自分ひとりで行っていたら聞けないような内容まで!」

鈴木「下手したら怒られちゃうのを覚悟しています(笑)」

ペルチ「ギリギリ失礼にならないところを絶妙に攻めますよね(笑)」

鈴木「本当はフェアな関係を築くべきだと思うんですよ。単純に食材を買わせていただきますけれど、素材を売る・お金を払うって関係だけじゃないと思うんです。いい食材はもちろんのこと、人柄も大事。あからさまには説明しないですが、料理で生産者たちの想いも感じ取ってもらえるようにしたいです」

地元で作られ愛される理由を
理解した上でのメニュー構成

−−今日は、はじめてみなさんで沼津周辺の生産者を回って来たそうですね。実際に足を運んでみていかがでしたか?

堀田「材料を見てから作りたい料理を考えるので、正直まだメニューは全然決まっていません。でも、使いたい食材はなんとなく決まってきました」

鈴木「今日訪問したところだと、渡辺ハム工房のふじやまプロシュート、柿島養鱒場の富士山サーモン、天城軍鶏、富士山岡村牛、長谷川農産のきのこ、アソビカルチャーの野菜は使いたいですよね」

堀田「直接足を運んでみると、そこで生産されて愛され続ける理由が分かって、その土地の印象が変わるんですよ」

鈴木「みなさん、いろんなことを丁寧に教えてくれました。例えば、ふじやまプロシュート。本来、日本のジメジメした気候で生ハムは作りにくいので、湿度や温度の管理が大変。でもこの土地では、仕込みをする冬は富士山から吹き下ろされる乾燥した風がちょうどよくて、夏に駿河湾の涼しい風で熟成させているそうです。だから品質がいい生ハムを作ることができるって教えてもらいました」

堀田「どこの生産者さんたちも、僕らと近い感覚を持っていると感じましたよね? イベントの説明をしたら、業者には見せないだろう一面を浮かべてくれましたし」

ペルチ「なんか仲良くなれた感触がありました。今日会った生産者の方々は、売買の関係だけではなく、プライベートで一緒に飲みに行きたいと思わせてくれる人ばかりでした。YES GOOD MARKETの当日は、予定を空けておくからスタッフとして手伝うよ、とまで言ってくれて嬉しかったですね」

日常では感じられない体験と
人との繋がりを楽しめる食事に

−−その関係性を築いているなら当日の料理が余計に楽しみです。まだメニューは決まっていないそうですが、どんなコース料理になりそうですか?

堀田「ただひとつ決めているのは、ずっとテーブルに着席してもらって、次々と料理を運ぶコースにはしません。みなさんにinn the parkのおもしろさを体験してもらいたいので、その日限定のスペシャルな体験をしてもらいたいと思います」

鈴木「いい食材を高いテクニックで作った料理で食べてもらうというより、都会のレストランではできないような体験を提供したいですね」

堀田「火を使ったパフォーマンスの料理をしたり、テーブル一面を華やかに料理で飾りつけたり、現状はそんなことを考えています。お客さん同士も仲良くなれる食事の場になるんじゃないですかね。普段は交わらないような人との会話は刺激的なので、食卓がひとつの出会いの場所になればと思います。メニューも料理以外も楽しみにしてもらいたいです!」

PHOTO/DAIKI KATSUMATA TEXT/SHOGO KOMATSU