「好き」がつながれば、場所はもっと面白くなる。Ace Hotel KyotoとYES GOOD MARKET、乾杯からはじまる新しい関係。

未分類

ホテルとは、旅先で眠るためだけの場所だろうか。京都・新風館にあるAce Hotel Kyotoを訪れると、その答えは少し変わってくる。アーティストや職人の手仕事が息づく空間に、音楽や食、さまざまな「好き」を持つ人たちが集まる。そんなAce Hotelカルチャーを、ショップという場所から街へつないできたのが、リテールマネージャーの小林晴代さんだ。今回、YES GOOD MARKET(以下、YGM)との初めてのコラボレーションとして生まれたのは、缶の保温冷カバーであるCan Cozy。そこに込められた「一緒に乾杯しよう!」という思いを入り口に、人と人がつながる場所のつくり方を聞いた。

小林晴代|Ace Hotel Kyoto リテールマネージャー
長野県出身。服、モノ、音楽に親しみ、2015年にNYのAce Hotelと出会う。2019年、アジア圏初となる京都への進出を機に入社。現在はAce Hotel Kyoto Shopを通じて、心躍る出会いをカタチに、モノと場を創作中。
https://acehotel.com/kyoto/

ラブレターから始まった、京都での暮らし。

ー小林さんは、京都にAce Hotelができる前から、このホテルのファンだったそうですね。

はい。小さい頃から服とモノ、音楽が好きで、敬愛するアーティストや友人と共にパーティを企画し、情熱を傾けお互いを信頼しあう場所にずっと憧れていました。2015年に、先輩から「Haru、絶対好きだと思うよ」と薦められて、NY のAce Hotelへ行ったんです。もう、とにかくかっこよくて。「いつかこんな場所で働けたらいいなぁ」という思いを抱きながら、2018年に再びNYに。

ーそこから京都へ。かなり思い切った展開ですね。

2019年にAce Hotelがアジアに初めて進出すると聞いたんです。友人たちに背中を押され、Ace Hotel宛てにラブレターを書きました。それがきっかけで入社が決まって。私は京都に来たかったというより、「Aceが京都を選んだから、私も来た」という感じです(笑)。引っ越してきたころは、土地勘もないですし、知り合いもいなかったのですが(笑)、気づけば、いい仲間とつながりができていましたね。

ー京都に住み始めてからは、街の印象も変わりましたか?

京都は、日本の美しい歴史や文化が積み重なってきた場所で、今では来た時と印象が違います。自転車で生活移動できるのも心地よさのひとつ。私が暮らす岡崎公園のあたりは山が近く、鴨川を越えると街の空気が変わるんです。地域に根付いたお店や友人のお店も多く、そこで暮らす人や、歴史が生まれた場所に出会える。年数を重ねるごとに京都は面白い場所だと感じています。

ーそんな小林さんから見て、Ace Hotel Kyotoはどんな場所でしょう。

そうですね。Ace Hotelはちょっと違っていて、どこの街でも同じホテルをつくるわけではありません。その土地の歴史や文化に敬意を払いながら、それぞれ違う表情を持っていて、かっこよくて面白い場所だと思います。Ace Hotel Kyotoのコンセプトは「East Meets West」。大正時代に建てられた旧京都電話局の歴史ある場所に、西洋と東洋のものづくりが融合しています。細部まで至るところにアーティストの作品や職人の手仕事があるので、新たな発見があったり、より一層面白いんじゃないでしょうか。

手仕事と偏愛が、ホテルのグルーヴになる。

ー館内を歩くと、ホテルのいたるところに作り手の存在を感じます。

そうなんです。ロビーには浜名一憲さんの存在感のある大きな壺があったり、communeによる不揃いで愛らしい椅子が並ぶ。2階にはIdo Yoshimotoさんの力強い木のバーカウンターがありますし、柚木沙弥郎さんのぬくもりある型染め、そして建築デザインは隈研吾さん。Ace Hotel Kyotoは、素晴らしいアーティストや職人の方々の手仕事によってつくられた場所なんです。

ー作品を置いて終わりではなく、そこで働く人も含めて空間ができあがる、と。

はい。作り手の情熱や思い、考え方が宿っていて、そこにスタッフ一人ひとりの仕事や気持ちも重なっていく。スタッフも個性的で、ダンサーやスケーター、DJやB-BOY、シンガーやイラストレーターをやっている人もいます。それぞれ自分の「好き」を持った集団ですね。そんな場所に好奇心旺盛なゲストやアーティストが集まるからこそ、いいグルーヴが生まれるのかもしれません。

ー小林さんが担当するAce Hotel Kyoto Shopも、その延長線上にあるのでしょうか。

そうですね。Ace Hotel Shopは、私たちが偏愛する「大好きな世界」をみなさんと分かち合うための、小さな空間です。服はもちろん、アート、本、レコード、日本のクラフトまで、本当に好きなものだけを選んでいます。具体的な仕事としてはAce Branded Goods 製品の生産、アーティストとのコラボレーションや京都ならではの商品企画など。ホテルのお土産を売るというより、ものづくりへのこだわりや品質を共有し、友人と一緒にちいさな世界をつくる感覚に近いですね。

Can Cozyを持って、京都の街で乾杯を。

ーYGMには、以前から足を運ばれていたと伺いました。

京都で初めて開催されたとき(2024年)に遊びに行きました。家からも近いですし、友人も出店していて。ファッションが好きな人たちだけじゃなく、飲食や音楽など、いろいろな人が混ざっていたのが印象的でした。友人のブースへ行くと久しぶりの人に会えたり、そこから新しい知り合いができたり。横のつながりが広がっていく感じが、すごく楽しかったんです。自分の知り合いのところへ行くと、また別の誰かに出会える。あの感じは、すごくYGMらしいと思いました。

ー今回は、そのYGMとAce Hotel Kyoto Shopが初めて一緒にものづくりをします。実現までには時間がかかったとか。

村手さんとマーケティングチームから声をかけてもらったのが始まりで、本国チームと何度もコミュニケーションを重ねました。最初からすんなり決まったわけではなく、何度かトライして形になった企画です。本国チームのアプルーバルを得て私たち京都チームはカタチにできるので、限られた時間のなかで生まれたアイテムです。

ーその思いが、今回の限定Can Cozyにつながったんですね。

はい。YGMに集まる人たちや京都という場所に乾杯を捧げる、そんなアイテムにしたかったんです。おそらく、最初で最後のAce Hotel KyotoのCan Cozyになると思います。夏は冷たく、冬は温かく。夏フェスから秋冬のハイキング、キャンプスタイルまで幅広く活躍します。YGMの会場で実際に使って、一緒に楽しんでもらえたらうれしいです。

ー最後に、小林さんが人やブランドと一緒に何かをするとき、大切にしていることは?

心が動かされた、ですかね。「えっ、面白い」と、湧きあがってくるものがあるか。言葉にするのは難しいですけど、最後はバイブスなのかもしれません(笑)。服やモノ、そこにまつわるカルチャーがただ好きなので。面白い人たちと一緒に何かやりたいですし、つくりたいですね。今回も、YGMに集まる人たちと乾杯して、みんなで楽しみたいと思います。

Photo:Shinsaku Yasujima
Edit & Text:Jun Nakada