人と人の繋がりを深めて
新しい提案を生むSTUDY SHOWROOM。

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大阪の心斎橋にあるアンティークビルで店を構えるSTUDY SHOWROOM。国内外から厳選したブランドのショールームとセレクトショップの二つの顔を持ち、さらにはオリジナルブランドも展開している。ここを手掛けているのが、樋口義洋さん。26歳からアメリカのロサンゼルスにあるショップで8年間働いた経歴を持ち、約2年前にこのショップをオープンさせた。なによりの特徴は、厳選された国内外のブランドセレクトと、生地にこだわり抜いたオリジナルブランドのラインナップ。そのファッション業界からも厚い信頼を得ているSTUDY SHOWROOMについてご紹介。

深い関係性を築くことで
新たなアプローチを提案

アメリカやヨーロッパの気鋭ブランドをはじめ、SEE SEEや10匣(TENBOX)、SOWBOWといった国内のインディペンデントブランドまでをセレクトするSTUDY SHOWROOM。海外ブランドの輸入代理店も務め、ショールーム兼セレクトショップとして国内外のブランドを手に取ることができる。
「ヨーロッパやアメリカにあるブランドの輸入と販売をして、大阪という街で独自の個性を打ち出すのがおもしろいと思いまして。海外のブランドを取り扱う際も自ら足を運び、直接顔を合わせてから取引をスタートしています」。

その取り扱うブランドに対し、こんな想いを話してくれた。
「ひとつひとつのブランドと深く繋がりたいと思っています。ポップアップをやったり、別注を作ったりといろんな提案方法がありますが、深く繋がることでブランドとセレクトショップの間から新しいモノが生まれるはず。だから、取り扱っているすべてのブランドと、しっかり意見交換をしています」。

ファブリックにこだわり抜いた
オリジナルブランドUNITUS

他では取り扱いが少ない海外ブランドや国内のインディペンデントブランドは目を見張るものがあるが、オリジナルブランドUNITUSの展開にも力を注いでいる。“融合”を意味する名前のとおり、デザイナーやディレクター、ブランドマネージャー、それぞれの持ち味を融合させ、海外の生地や特殊な素材を選りすぐり、独自のデザインに落とし込むことがブランドのコンセプト。
「ブランド設立当初は、ニューヨークの老舗メーカーによるオイルドコットン生地を使ったアイテム5型でデビューしました。それ以来、毎年オイルドコットンを使ったアウターを必ずリリースしているので、その生地が原点です。少し野暮ったさを感じる風合いの生地を使い、日本でデザインと縫製をおこなっています」。

「今は幅が広がって、アメリカだけに固執せず、イタリアのウールやイギリスのコーデュロイなどヨーロッパのファブリックも使っています。あと、他にはないチェック柄の生地をオリジナルで作っています。せっかく作るなら自分たちが納得できて、お客さんが驚くようなものを作りたいです」。

パワーアップしたSEE SEEとの
コラボレーションアイテムに注目

さらに今年の秋冬から新たなブランドが始動する。それは、10匣(TENBOX)のPiguさんがディレクターとして参加するパンツブランド、e.sen。それは斬新な提案をするブランドだ。
「ずっと前からパンツに特化したブランドをやりたくて、その構想をPiguさんに話したらおもしろいと言ってくれたので一緒に企画しています。“ユニセックスでジャンルレスに履ける、ちょうどいいパンツ”がテーマ。今年の秋冬からはじまるんですけど、1型のみで展開します。5種類の生地を使っていて、1種類だけ2色のバリエーションがあるので、合計6色だけ。いろんなファブリックの候補がありましたけれど、最終的には万人受けとか、売れ線とかは考えず、自分たちが穿きたいパンツだけを作りました」。

前述したように、ブランドとセレクトショップの垣根を越えた関係性によって生まれたe.sen。深い繋がりによって新しい発想が生まれたが、SEE SEEとも同じことが言える。
「去年、SEE SEEではじめてアパレルを展開しているのを見て、うちもコラボレーションをしたかったので10匣(TENBOX)のPiguさんに紹介してもらいました。SEE SEEはサンフランシスコを背景に、日本の伝統工芸とアメリカのカルチャーをMIXしていて、それがUNITUSのコンセプトと共通する部分があると感じています。そして、ディレクターの湯本さんとは歳が近いということもあって、話も感覚もマッチしましたね。昨年はじめてコラボレートが実現して、今年はYES GOOD MARKETに向けていろいろと準備しているところです」。

前回以上にパワーアップしたSEE SEEとSTUDY SHOWROOMのコラボレーションが控えているとのこと。気になる内容を少しだけ教えてもらった。
「基本的にアパレルのコラボを仕込んでいて、まずはシャツとパンツのセットアップ、タウンユースできる甚平。その甚平は浜松の伝統的な遠州織物を生地に使っています。あとキャップ2型とストローハット。ストローハットは、モデルのパトリシオさんの別注です。注目してもらいたいのが、いわゆる便所サンダルにファッション性を注入したサンダルブランドbench とSEE SEE、そしてSTUDY SHOWROOMのトリプルネームのベンサンです。SEE SEEのブランドカラーである黒とオレンジでまとめていて、ブランドのイメージが押し出されているので楽しみにしてもらいたいです」。

YES GOOD MARKETで
新鮮な出会いに期待する

そんな豪華なコラボレーションアイテムがYES GOOD MARKETで一気にリリースされる。昨年末の静岡パルコのルーフトップで開催された同イベントに初参戦したという樋口さん。そこにこんな印象を抱いているそうだ。
「それぞれのショップやアーティスト、そしてイベント自体にも根強いファンがいると感じました。来場されていたお客さんの年齢層も幅広くて気さくで。正直それがカルチャーショックというか。大阪のイベントとは違った雰囲気があって楽しかったです。だから、また参加したいと思っていたので、今回も声を掛けてもらえて嬉しかったです。YES GOOD MARKETは人と人が繋がるマーケットだと思っていて、うちのお店も人との繋がりを大事にしています。だから、他のショップやアーティスト、そしてお客さんとも繋がれるのが楽しみです」。

PHOTO/RYO KUZUMA TEXT/SHOGO KOMATSU