実用的なアートで日常を彩る
Pacifica Collectivesのこだわり。

EVENT

インテリア雑貨にアートを落とし込んだプロダクツを中心に展開しているPacifica Collectives。これまでにさまざまなアーティストとのコラボレーションを実現してきた同ブランドが、今回YES GOOD MARKETともクロスオーバーする。イベントのメインビジュアルを手掛けたLYさんのアイコニックなキャラクター、“LUV”を落とし込んだラグが当日にローンチされるのだ。それらのアイテムに宿したこだわりをPacifica Collectivesをディレクションする貴島泰介さんに教えてもらった。

アーティストたちの作品を
手軽に楽しめるインテリア

Pacifica Collectivesの設立以前は、’50〜’60年代のアメリカンヴィンテージ家具を取り扱うインテリアショップで12年勤めていたという貴島さん。そこで培った経験が現在の基盤となる。
「アメリカへ買い付けに行くと、現地のインテリアショップでは新旧関係なく取り扱っていて。自分たちはヴィンテージというコンセプトを掲げていましたが、それに捉われなくてもいいのかなって思うようになりました」。

「そして、アメリカの知人宅に遊びに行くと、有名無名問わずたくさんのアートが飾ってありました。自分たちは部屋に置いてお洒落にするプロダクトしか提案できていないことに気づいたんですよ。それからはショップでイラストや写真の展示イベントを開催して、暮らしの中にアートを飾る提案をはじめました。おこがましいですけれど、家具だけじゃなくて壁もアートでコーディネートすれば生活を豊かになるとお客さんに伝えたかったんです」。

その時の考え方は独立してPacifica Collectivesを立ち上げた今も変わらず、日常からアートを感じられるインテリアの提案をする。
「例えばAndy Warholの作品を数百万円で買うのではなく、友達の作品でも構わないから気に入ったアートを普段の生活から感じてもらいたい。でも、アートを壁に飾るという提案は誰にでもできる訳です。そこでインテリアに携わる僕ならではのアプローチとして、クッションやラグにアートを落とし込むということをはじめました。原画を買えなかったとしても、それが落とし込まれているインテリア雑貨なら気軽に手に入れることができるし、暮らしの中でアートを感じられる上に実用性があります」。

「今はクッションやラグを中心にアーティストとコラボレーションしていますが、もっとアイテムの範囲を広げてファニチャーなども作っていきたいです。あと、日本では知られていないアメリカンヴィンテージのデザイナーズブランドがたくさんあります。それを既存のインテリアショップと違った視点でご紹介していきたいと考えています。僕はインテリアデザイナーもアーティストだと捉えているので、素敵なアーティストがいるってことを伝えていきたいです」。

そのスタンスの元、多くのアーティストとコラボレーションを果たしてきたが、コラボレートするアーティストの選び方は慎重におこなっているとのこと。
「作品を依頼してコラボレーションするアーティストは、直接顔を合わせてお互いを理解した人だけ。有名だから、売れそうだからってコラボレーションを持ちかけたことはありません。飲みに行ったり話をしたりして盛り上がった人じゃないといいアイテムを作れないと思いますので」。

作品の世界観を大事にした
ハンドメイドのプロダクツ

Pacifica Collectivesのアイテムは、すべて国内生産のハンドメイド。手作業がゆえディテールにまでこだわり抜くことができるのだ。
「依頼した作品が完成して、その世界観を見てからどんなアイテムに落とし込むか決めています。例えば花井さんのボトルフィッシュクッションは、デザインを活かすためにクッションをボトルの形にしてシェイプにこだわりました」。

「そしてラグはかなり手が込んでいて、熟練の職人さんが1枚1枚手作業で作ってくれています。作品の印象に合わせて糸を染色しているし、ハンドメイドだからデータ入稿をしていなくて、職人さんにデザインのテイストを口頭で伝えているんですよね。それが難しい部分でもありますが、ハンドメイドだからこそ作品をラグで表現できるんです」。

そんなこだわり満載のラグを使った、YES GOOD MARKETエクスクルーシブアイテムが完成。メインビジュアルを担当したLYさんの作品が落とし込まれているが、その雰囲気をラグで再現するのは難しいらしい。
「LYさんの作品は目に特徴があるので、黒目部分が少しでも形や大きさが違うだけでガラッと変わるんですよ。目には表情があるので、角度が違えば怒っているようにも悲しんでいるようにも見えちゃう。だから、糸1本単位で調整してもらっています。あと、毛足が長すぎるとデザインの細かいラインがボヤけてしまうので、作品によって毛足の長さも変えています」。

プロダクツを目にした
お客さんの反応が楽しみ

そのラグはYES GOOD MARKETでリリースされるので楽しみにしていただきたいが、楽しみにしているのは貴島さんも同じ。
「YES GOOD MARKETは昨年末にはじめて参加させてもらいました。前回は静岡PARCOの屋上での開催でしたが、今回はそれよりも規模が大きくて出店数も多いから、その人たちと一緒に参加できることが嬉しいです。Pacifica Collectivesは基本的にネット販売が中心なので、お客さんの反応を直接見る機会が少ないんですよ。だから、いろんな人とお話できるのを楽しみにしています!」

PHOTO/RYO KUZUMA TEXT/SHOGO KOMATSU