2016年、茅ヶ崎にオープンしたビアバー、Gold’n Bub。そこにはビールを醸造するBarbaric Worksが併設され、出来立てのクラフトビールを堪能できる。なんと今回のYES GOOD MARKETでは、Barbaric Worksがオリジナルのクイラフトビールを制作したのだ。そこでBarbaric Worksが作るクラフトビールのこだわりを探りながら、そのYES GOOD MARKETオリジナルビールについて話を聞いてきた。
茅ヶ崎の食材を使った
地元密着のクラフトビール
Gold’n BubとBarbaric Worksを立ち上げたのは、長年ソムリエとして飲食に携わってきたPANCHOさん。
「2011年7月に、辻堂でスペインバルをオープンして、翌年その近所にGold’n Bubをオープンしました。2店舗目を営業していくうちに、先のことを考えるようになって、その中で成長していかなきゃいけないから、広く浅くではなく、根を深く張って地に足を付けようと考えました。そして、何ができるか考えた結果がビール作り。逗子にあるヨロッコビールへ修行に通って、3年くらい掛けて学びました。その後、ビール工場だけをここに作るつもりをしていましたが、Gold’n Bubが立ち退きになっちゃいまして。それで、醸造所を併設したGold’n Bubをここにオープンしました」
オシャレな雰囲気が漂うGold’n Bub。ビールにこだわっているのはもちろんのことだが、他にもこだわりがある。
「Gold’n Bubを立ち上げた当時のビアバーと言えば、ビールが主役であって、食事はカレーとソーセージしかないようなお店が多かったんです。僕は飲みながら食べたいタイプなので、そのスタイルはちょっと違うと感じて。ご飯とビールの組み合わせを大事にしたほうが僕ららしさが出せると思ったから、食事にも力を入れています。料理のジャンルは決めていません。和の要素があれば、メキシカンもあるし、イタリアンだってある。特に最近押しているのは、テキサスバーベキュー。5、6時間、炭火でじっくり焼いていくんですけど、手で割けるほど柔らかいお肉になります。あと、季節感も大事にしていて、地元で採れた旬の食材を作っています。茅ヶ崎って海の印象が強いけど、反対側には山もあって畑が広がっているんです。今の時期なら、ミニトマトとかヤングコーンがおすすめです」
そして肝心なクラフトビール。醸造所であるBarbaric Worksを設立する際、一緒にビール造りができるスタッフを募集したら、大手のお酒メーカーで経歴を積んだ永石が仲間に加わった。現在は基本的に永石さんが醸造を担当。Barbaric Worksが作るオリジナルのクラフトビールのこだわりを永石さんが教えてくれた。
「オリジナルのクラフトビールは、何種類作ったか分からないくらいたくさん作りました。定番は一応作っていますけど、なくなったら終わりで、次はいつ作るか分かりません。毎回違うものがラインナップしていて、同じビールでもスタイルを変えることもあります。僕らは、主張しすぎずに毎日飲めて、気づいたら無くなっているような飽きないビール作りを心がけています。」
他にもこんなこだわりがあると話すPANCHOさん。
「フルーツを使ったビールも作るんですけど、基本的に地元のものを使うようにしています。クラフトって何なのかって考えた結果、根本は信頼できる人と一緒に作ることだと思ったんですよ。ホップやモルトは海外のものだけど、いつかそれも茅ヶ崎もしくは国内で採れたものを使えるようになるのが理想。あと、Barbaric Worksって原始的とか野蛮って意味があるので、近代的なものを使いつつも、昔ながらの手作業をするようにしています。そうすることで味に変化が出るんです。だから、なるべくめんどくさいことをやっていくのが僕らの仕事。市場の9割くらいは加工されたホップを使っているんですけど、僕らはそのままの状態のホップを買っています。入手するのも難しいし、作業も増えるけど、まったく味が違うんです。そのホップの仕込みは手作業で揉むから何時間も掛かるけど、揉む人によっても味が変わるくらい繊細。そして、いろんなカルチャーにはビールが付きものなので、そこの中に僕らのビールがあって欲しいです」
SEE SEEとBarbaric Worksの
クラフトが交差してビールが完成
そんなこだわり満載のクラフトビールを作り、バイシクルショップのBROTURESやアパレルブランドのCaptains HelmともコラボレーションしているBarbaric Works。では、SEE SEEと繋がりYES GOOD MARKETのオリジナルビールを作ることになった経緯は?
「静岡にあるコーヒーとクラフトビールのお店、HUGHOPと仲良くて、その周りからSEE SEEについて話を聞いていました。ヒロくん(SEE SEE ディレクターの湯本)は茅ヶ崎に仕事で来ることが多くて、僕らの話を聞いていたみたい。お互い話を聞いているけど、接点がない状態が長く続いていたんですけど、数年前HUGHOPにいたら、その前をヒロくんが通って、ようやく挨拶しました。それから交流を深めていく中で、YES GOOD MARKETに出店のお話をいただきました」
こうして昨年のYES GOOD MARKETに初出店したBarbaric Works。そして今回、冒頭で触れたようにYES GOOD MARKETオリジナルのクラフトビールを制作することに。
「YES GOOD MARKETのビールを作りたいって、ヒロくんと電話で話していて、そこから数週間考えたんですけど、僕らが考えたクラフトビールにただラベルを貼っただけじゃ面白味がないと思いまして。SEE SEEのプロダクトをボーッと眺めながら考えていたら、製作過程で生じたオガ屑を使ってみたいって、ふとひらめきました。お互いのクラフトを融合させれば、みんなに納得してもらえるんじゃないかな、と。夜中だったんですけど、ヒロくんにすぐ伝えたくて電話したら喜んでくれて。今、発酵しているところで、ラベルはヒロくんにお願いしました」
「ベースになっているビールはベルジャンホワイト。コリアンダーシードとオレンジピール、地元の柚子を少しだけ加えています。バナナのような風味はベルギーの酵母が由来。そして最後に、ブレンドしたオガ屑のウッディな香りが鼻を抜ける香りの良さが特等です。YES GOOD MARKETのイメージは爽やかで明るいから、その雰囲気に寄せています。SEE SEEのクラフトと僕らのクラフトを感じてもらいたいです」