2016年に第1回目が開催されたYES GOOD MARKET。回を重ねるごとにパワーアップしたコンテンツが用意され、今年で6回目の開催を迎える。今回も多くの人から期待の声が集まっていたが、新型コロナウイルスの影響で、早期判断によりオンライン開催となった。イベントの発起人であるSEE SEEのディレクター湯本弘通さんが、開催を目前に控えた今の心境や当日の詳細を語ってくれた。
オンラインになっても
YGMが作り出す空気は変わらない!
今年のYES GOOD MARKETを開催する予定だった場所は、初回から一昨年まで開催していた静岡市清水区に決まっていたが、当初は昨年と同様にINN THE PARKでの開催を計画していたそうだ。
「去年開催したINN THE PARKは、来場したみなさんからものすごい反響があったんですよ。今年もそこで開催するつもりでしたが、東京オリンピックの関係で駐車場が使えないなど、多くの制限がありました。僕らは去年以上のことをやろうと思っていたんですけど、いろいろと問題が重なって、それが難しくなっちゃいまして……。行政に企画書を提出していて話は進んでいたんですけどね。だから、YES GOOD MARKETの始まりの地である清水区のエスパルスドリームプラザに戻すことに。でも、そこだと規模感が合わないから、同じ敷地内にある清水マリンパークで開催することに決めました」
清水マリンパークでの開催準備を進めていくが、新型コロナウイルスの問題が国内で深刻化した。
「もし何かあったらイベント自体の存続に関わるし、まずは地元のみなさんの安全を優先するためにYES GOOD MARKETのチーム全員は中止の方向で考えていました。でも、夜中にシャワーを浴びていたら、オンラインならできるのでは? とひらめいて。新しいことをやるのに準備期間が必要だし、6月の開催日に状況がどうなっているか分からなかったので、オンライン開催をチームと共有したら、みんな賛成してくれました。どこのフェスも中止か延期を検討している最中だったので、いち早くオンライン開催を宣言したかったんですよ」
そして4月1日、Instagramでオンライン開催を宣言。しかし、イベント初となるオンライン上での開催に不安はなかったのだろうか。
「もちろん成功しか考えられなくて、不安はありませんでしたよ。SEE SEE自体もオンラインベースで販売をしていますし、YES GOOD MARKETに出店いただいている顔ぶれを見てみると、他にはないくらい豪華なので。もともと今年は、YES GOOD MARKETでしか購入できない限定アイテムを充実させたいと考えていたので、それも強みのひとつとしてオンラインで打ちだせると思いました。いろんなフェスへ遊びに行ってみると、飲食の売上は好調に見えるけど、洋服とかの物販はどこも伸び悩んでいる印象でした。YES GOOD MARKETはマーケットと冠しているからには、物販に特化しなければなりません。非日常のショッピングを楽しめる空間がコンセプトなので、オンライン開催でもエクスクルーシブなアイテムを販売すれば非日常を味わえるはずだと思いました。いろんなブランドさんやショップさん、アーティストさんに限定品を販売したいって相談してみたら、たくさん協力していただき、本当に嬉しい限りです」
もちろんSEE SEEもYES GOOD MARKETのために仕込んでいる。販売する限定アイテムを教えてもらった。
「まずはSEE SEEのアイコンである静岡挽物で作ったフラワーベース。トイレのすっぽん(ラバーカップ)をモチーフにしました(笑)。あとはロゴのTシャツ。通常はオレンジですけど、ハッピーレアカラーと題して、赤でプリントしました。数枚だけタグを裏返して縫い付けているものも混ぜ込んでいます。それが届いたらアタリです。あと、僕がディレクションしているS.F.CのセットアップとNAIJEL GRAPHさんに描いてもらったデザインのTシャツも販売。SEE SEEとS.F.Cと、COOMEという謎に包まれたブランドのトリプルネームもリリースします」
ユルい雰囲気を体感できる
トークから音楽までを配信。
YES GOOD MARKET限定アイテムの販売以外にも、さまざまなコンテンツを用意しているとのこと。
「どんなコンテンツをやるか、チームでたくさん話し合いました。買い物するだけじゃ、ただのショッピングサイトになっちゃいますからね。話し合いの結果、YES GOOD MARKETらしいユルっとした空間を届けるために、ホームページ上で生配信をすることにしました。知り合いにテレビ局のディレクターさんがいるので相談をしてみたら、テレビ番組のような本格的な美術セットを組んで、数台のカメラを回してもらえることになったんですよ。みんなでワイワイとお酒を飲みながら、フリートークで販売しているアイテムについて話している様子を配信します。あとは出店するうちの何人かには、ビデオメッセージを撮らせてもらったので、会場で実際に接客してもらっている感覚になればいいですね。ZOOMで出演いただいて商品の説明をしてもらおうとも考えています」
コンテンツはそれだけじゃない。スペシャルな企画が他にもスタンバイしているそうだ。
「初日に、AH.Hの対談企画、TALK@喫茶 談話室を〈喫茶 談話室 静岡店〉として配信します。ファッションディレクターの長谷川さんとクリエイティブディレクターの南さん、フイナム編集長の小牟田さんの3人に17時から生放送でトークしていただきます。この企画は僕自身がとても楽しみです! そして、音楽でも思い出を残すため、HOLE AND HOLLANDのMamazuさんとYO.ANさんや、is-nessデザイナーの木下さんなどにDJプレイしていただきます。他にもいろんな方々に登場いただくので、最初から最後まで配信を見逃さないようにしてもらいたいです!」
最後に、買い物を楽しみにしてくれている人たちにメッセージをいただいた。
「昨年を超えるためにチームで試行錯誤して話し合ってきました。充実したコンテンツの案がたくさん出てきたので、来年こそ実施して皆さんと直接お会いしたいです! まずは今年のオンライン開催を楽しんでもらえれば幸いです!」