静岡から自転車カルチャーを発信するToxicWorksが、YES GOOD MARKET(以下、YGM)に初登場。代表の間宮さんはカルチャー感度の高さで知られ、今回、自身が手がけた街乗り用の新ジャンル自転車「SEE SEE : ROAM BIKE」を引っ提げ、限定復刻Tシャツやオリジナルパーツ、ベアフットシューズにハンドメイドアクセサリーまで盛りだくさんのラインナップで会場を沸かせる予定だ。自転車を軸に多彩なカルチャーを繋ぐその挑戦とは。
SEE SEEと生んだ街遊びの相棒。

今回YGMで注目は、Toxic Worksが〈SEE SEE〉の湯本さん(YGM主宰)とタッグを組んで生み出した新ジャンルの街乗り自転車「SEE SEE : ROAM BIKE」だ。カルチャー感覚が近い2人が意気投合し、「新しいジャンルの自転車を作りたい」と湯本さんから相談されたのがコラボの始まりだという。さらに湯本さんからは「2年先を行く、まだ世にないジャンルの自転車を作ってほしい」という大胆なオーダーもあったそうで、間宮さんは未知のカテゴリーに挑戦することになった。


このROAM BIKEの設計テーマはズバリ“街で遊べる・使える”。直進安定性の高さや跨ぎやすいフレーム設計、フロントラックを取り付け可能なセミカーゴ仕様による積載力など、街乗りから軽い遠出まで気兼ねなく使える工夫が随所になされている。


フレームの素材はクロモリを採用。シートチューブの角度をやや寝かせることで、足付きの良さと高い直進安定性を両立させた。実際、「普段は街を流しつつ買い物にも使えて、休日はそのままちょっとした距離のサイクリングに出かけられる人。自転車を“生活の相棒”として使う方をイメージしています」と間宮さん。

「このクオリティのコンプリートバイクで13万円台は相当安いはず」と自身が驚きを見せるほど、完成車価格は¥132,000(税込)と手に取りやすい設定に抑えられている。サイズは520と560の2種展開でカラーはブラック、納期は2026年1〜3月を予定している。
復刻Tシャツから伝説のATBまで。

Toxic Worksは今回、自身のブランドの過去Tシャツデザインを3種、YGM限定で復刻販売する予定だ。ラインナップはフランス人アーティストL’ermitage氏が手がけた「STOMPLOX VOLTY-T-shirt」、タトゥーアーティストSCUMBOY氏による「Wheel Monster-T-shirt」、グラフィックアーティストbias氏デザインの「サボテンT-shirt」と多彩。いずれも1枚¥5,500で、サイズはS〜XLまである。カルチャー色の濃いグラフィックが、ToxicWorksの世界観を象徴しているようだ。

また、自転車好きならずとも惹かれそうな小物も揃う。例えば「Valve Jewelry」は、その名の通りタイヤのバルブキャップを宝石のように仕立てたアクセサリー。中心部の半透明なレジンが光を受けると「この絶妙な輝き具合がエロティックでしょ(笑)」と間宮さん。他にもカーゴキットやライトニング・ステムといったユニークなオリジナルパーツも登場予定で、いずれも「今まで世の中になかった物を具現化したプロダクト」ばかりだという。欲しいパーツは自分で作ってみる、という心意気がすごい!

さらに注目したいのが、ブースに展示されるスペシャルバイクだ。間宮さんが伝説的な老舗工房・東叡社(トーエイ)に製作を依頼したというATB(オールテレインバイク)は、1980年代MTB黎明期のスタイルを現代に再構築した一台。



フロントフォークの美しい曲げ加工やラグの細部、シートチューブの二本巻き仕上げなど、クラフトマンシップ溢れるディテールにぜひ注目してほしい。素材感を活かした特別なRAWカラーの塗装も必見だ。


もちろん自転車以外のプロダクトも見逃せない。ToxicWorksが展開するシューズブランド〈STOMPLOX〉の人気モデル「Trail Worm」は、裸足感覚で履けるベアフットシューズ。体幹を鍛え直すコンセプトで、自転車にも街履きにも使えるようデザインされており、グリップとフィット感にこだわったオリジナルパターンのソールは、すり減っても張替えが可能で長く愛用できる。


一方、アクセサリーブランド〈Hexic〉からは、金属と樹脂を融合させた一点物の限定アイテムが登場する。タトゥーのフラッシュアートに着想を得たというデザインで、光にかざすとレジン部分が妖しく透ける魅惑のアクセサリーだ。
こうしてToxicWorksのブースには、自転車という枠を超えてカルチャーを感じさせるGOODアイテムが集結する。その遊び心と本物志向に溢れたラインナップに、きっと自転車好きもそうでない人も胸が躍るはず。
カルチャーで繋がる静岡とYGM。

静岡という土地で培われた自由な自転車カルチャー観も、ToxicWorksの土台にある。間宮さん曰く、「東京や大阪ほど大きなマーケットはないですが、その分“自分の世界”を追い求めるコアな人が多いですね。年間を通じてわりと温暖な気候も相まってか、自然体で自転車を楽しむ文化が静岡には根付いている気がします」とのこと。そうしたローカル環境で育まれた視点から、間宮さんは“流行じゃない本物の価値”を提案し続けてきた。

YGMを主宰する〈SEE SEE〉の湯本さんとは古くから親交があり、カルチャー観を共有する仲だ。間宮さんは湯本さんの「カルチャーの空気を読み取る力」、つまりプロダクトやイベントを“その時代の匂い”につなげる眼差しに強く共感しているという。そんな価値観の交差点から生まれたのが、前述のROAM BIKEでもある。

「大阪会場ではより幅広い層に自分のプロダクトを見てもらえると思っています」と語る間宮さんは、関西で新たな出会いが生まれることに期待を寄せる。そして最後に、「自転車を知らない方にも、流行じゃない本物の価値を見てもらえたら嬉しいです」とメッセージを届けてくれた。
ToxicWorks
住所:静岡市葵区本通2丁目1-1シーステージ本通1F
電話:054-250-2225
営業時間:12:00〜20:00(日曜日 13:00〜20:00)
定休日:水曜、第3日曜
https://toxicworks.net/
Photo:Shinsaku Yasujima
Edit&Text:Jun Nakada