YES GOOD MARKET(以下、YGM)の空気をよく知るモデル、パトリシオさんが初のYGMコラボに挑む。選んだのはTシャツとスウェットパンツ。自身が手掛けるブランド〈CIRCLE CIRCLE〉のタグライン“good times with good people”よろしく、自然と会話が生まれるような、長く着られて育てる楽しさが味わえるデザインを目指した。パトリシオさんだから言えるYGMの魅力、そしてものづくりの温度感を探ってみた。
パトリシオ
1984年東京生まれ。17歳でスカウトされモデル活動を開始。雑誌・広告で活躍しつつ、現在は鎌倉に拠点を移し、サーフィンやゴルフなどアウトドアも嗜む。3児の父で、自身のブランド〈CIRCLE CIRCLE〉を主宰。YGM来場経験多数で、〈SEE SEE〉と一緒に麦わら帽子を作ったことも。
Instagram:@pato_____
YGMの記憶。

開口一番、「最初にYGMに行ったのは、たしか2018年。友だちがフリマやるって言うから、何の下調べもなくただ遊びに行っただけ」とパトリシオさん。でも、軽い足取りで会場に立つと、風の抜け方までゆっくりな空気がそこにあったという。人が立ち止まり、話し、また動く。マーケットイベント特有の混沌とした熱気というより、余白のある呼吸に近かったとか。「ヒロさん(YGM主宰の湯本さん)の縁で集まる人たちがピースフルで、時間の流れが優しかった。街の歩く速度まで自然に落ちる感じがして」と笑う。

その後は、コロナ期のYGM(オンライン配信)でサブMCを務め、のちに自身のブランドで出店も経験。YGMを“外側から眺める場”から“自分も手を動かす場”へと移った。鎌倉で暮らす今は、朝、海へ入り、都内の撮影へ向かうといった日常を過ごすことが多い。「撮影場所って毎回違うじゃないですか。だから、いつからか知らない駅で降りて歩くのが楽しくなってて。人の流れとか空気の温度の違いとか、新しい環境に身を投じるのが好きなんですよ」。
今回のコラボレーションもその温度に背中を押されて始まった。「ヒロさん由来の“いい空気感”が、YGMの芯だと思う。だから声をかけてもらって二つ返事でOKしました」。
長く着られるTシャツとスウェットパンツ。

今回作るのはTシャツとスウェットパンツ。どちらも“日常の主役”に据える前提で、派手さより着心地の良さを優先した。Tシャツのボディは〈Fruit of the Loom〉のヘビーオンス。10月の屋外でも一枚で着られる重さ、洗濯を重ねてもヘタレない安心感、そして丁寧な刺繍と経年変化が楽しめるラバープリントの雰囲気をシルクプリントで表現することを念頭に置いて進行中。


レイアウトはほぼ決まっている。Tシャツは白と黒の2色展開。フロントに〈CIRCLE CIRCLE〉のカレッジロゴを、背中にYGMロゴをそれぞれプリント。さらに、右後ろの裾には“good times with good people”の刺繍を縦にデザインした。「〈CIRCLE CIRCLE〉のコンセプトと同じで、できるだけシンプルに。盛るより、普段使いとして長く着られるものを意識しました。シルクプリントは、洗濯を重ねると古着なんかでよく見かけるひび割れた感じになっていくラバープリントっぽくなるのが理想。これが、このヘビーウェイトのボディによく合うんです」。


スウェットパンツは黒とグレーの2色。右ポケットにYGMロゴ、右後ろには“good times with good people”を刺繍で、左後ポケットに〈CIRCLE CIRCLE〉のカレッジロゴをプリントで入れる。「シルクプリントの質感や全体のバランス、あと納品スケジュールもありますが(笑)、最終サンプルを見て決めます」。
サイズ展開はTシャツ、スウェットパンツともにM・L・XLの予定。
大阪開催への期待感。

開催地である大阪の街について聞くと、返ってきたのは明るい答えだった。「大阪の人は明るくて正直。接していて気持ちがいいんですよ。毎年撮影で何度か行くんですけど、夜は友だちとご飯を食べて、体力が残っていたら、翌朝、和歌山までサーフィンに行くこともあります。今回のYGMでも、なるべくブースに立つつもりなので、ぜひ声をかけてください。乾杯しましょう!」。

最後に、今回作ったアイテムについて、どちらから手に取ってほしいかを聞くと、「やっぱり最初はTシャツでしょう。胸の〈CIRCLE CIRCLE〉ロゴと背中のYGMロゴで、今回のコラボがいちばん伝わるから。次にパンツ。これも太すぎず細すぎずなシルエットでめちゃくちゃおすすめ。10月ですし夏も終わって涼しくなるはずなので、上下セットでぜひ」。


シルクプリントと刺繍で表現した “説得力のある一枚”と“歩ける一本”。きっと、YGMの会場に集まった“いい人たちにいい時間”を与えてくれそうだ。
Photo:Shinsaku Yasujima
Edit&Text:Jun Nakada