カラオケと町中華!? 雑居ビルの一室に広がる異空間「THE HANARE IN SHOCK」。

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大阪・南船場のとある雑居ビル。狭い入り口を進み、これまた狭い階段を登った先にある「THE HANARE IN SHOCK」。同地区にある「THE MUSEN IN SHOCK」の2号店となるこのお店は、どこを切り取ってもユニークな場所だった。YGMとも深い関係にある同店のオーナーと店長に、イベントにかける思いと期待を聞いた。

カテゴライズは御法度。唯一無二の個性が光る。

左から:店長のヤスさん、シェフのタクミさん、オーナーのテテヤンさん。

冒頭にも書いた通り、このお店は実に風変わりだ。二重扉をくぐると、高級なホテルのロビーを思わせるカーペットが敷かれ、縦に長いカウンターはさながらバーのよう。奥にはボックス席があり、スナックのような雰囲気もある。

でも、メニューを見ると、お酒の他にチャーハンや油淋鶏など本格的な中華のメニューが並んでいる。しかも、どうやらカラオケもあるらしい。

テテヤンさんのアイデアで、ハイテーブルの天板部分は畳に。

ここは、南船場にある人気立ち飲み「THE MUSEN IN SHOCK」を手がけたテテヤンさんが2023年にオープンさせた2号店。中華料理屋とか、スナックとか言えたらいいのだけど、どうカテゴライズしていいか分からない。「よくわからないでしょ?」と笑うテテヤンさんの言葉の通り、何屋なのか、分からない。

「カラオケを置いていて、打ち上げだったり、貸し切りで使ってもらうというのが出発点だったので、カーペットを敷いて品を出そうと思って。音響対策も兼ねて、入り口の扉は二重になっているんです。スナックの上位互換みたいなところを目指しました」

当初は、提供するメニューは和食だった。そこにシェフの匠さんが合流し、中華へと大幅に舵を切った。店長のヤスさんは「タクミのチャーハンは、マジでうまいです。チャーシューも全部一から仕込んでますから。リピーターも多いんです」と、その人気ぶりを教えてくれた。

店の営業は20時から深夜3時まで。1軒目から締めまで、実に使い勝手のいいダイニングバー、いやいや、よくわからないお店だ。

YES GOOD MARKETとの長い付き合い。

店長のヤスさんは、YGMとの関わりが深く、長い。「前職の時からヒロさん(YGMの発起人である湯本さん)とは仲良くさせてもらっていて。きっかけは今回YGMに参加するモデルのパトリシオさんから。パトさんが大阪に来たときはよく一緒に飲みに行かせてもらっていて、その繋がりでヒロさんともタイミングでご一緒する機会があり、その流れで2019年のYGMに誘っていただきました。準備期間が2週間しかなかったんですけど、何より嬉しい気持ちが強くて即答で参加させていただきました」

開催地は静岡の沼津。会場を見た瞬間に、ヤスさんは衝撃を受けたという。

「会場のすべてをゼロから作って、空間ごとデザインしてはるのを見てカルチャーショックを受けました。そこからも昨年以外はすべて参加させてもらっています。とにかく毎回刺激的で、出会いもたくさんあって。いろんなイベントやフェスに行ってますけど、YGMにはYGMにしかない魅力があるんです」

一方、テテヤンさんがYGMに初めて参戦したのは2023年のこと。

「ちょうど、ここのオープン準備でバタバタしているときだったんですけど、ヤスから『絶対に行ったほうがいい!』と誘われて、一旦準備をストップして、スタッフみんなで静岡まで行きました。インディペンデントのブランドばかりで、アイテムの値段も安くないのに、ほとんどがソールドアウトしていてビックリしましたね(笑)。同時に、どこのお店も本当にかっこいいし、ヤスと同じで空間の作り込みにも驚きました。たった数日のために、ここまでやるの?って」

そして、今回は大阪開催。ヤスさんは湯本さんから、テテヤンさんはアーバンリサーチからそれぞれ誘いがあり、気合い十分で参戦する。

「2019年にはじめて行ったときに、こんなん大阪であったらやばいなーと思っていたら、2025年の開催地は大阪。聞いたときはいちファンとして嬉しかったですね。ヒロさんが会場をどう彩るのか、いまからめちゃくちゃ楽しみです」(ヤス)

「グラングリーンって会場が曲線なんです。その難しい形を、YGMがどう捉えて、会場にしていくのか楽しみです。知り合いもたくさん出店しているので、ぼく自身もお客さんとして楽しむ気まんまんです!」(テテヤン)

何を出すかはわからないけど、絶対美味い。

話は戻るが、「THE HANARE IN SHOCK」で提供しているメニューは、そのほとんどをタクミさんが担っている。大阪から遠く離れた埼玉県の出身で、祖父母は中華料理屋を営み、小さい頃から中華に馴染みがあった。料理の勉強はちゃんとしていないまでも、長年の蓄積で味覚が研ぎ澄まされているし、ノウハウは目で見て学んできたという。

そんな彼が、今回YGM用のメニューを考えている。

「当初は油淋鶏をパンで挟もうかと考えていたんですけど、イベントで提供するとなると色々とハードルがあって難しそうで……。なので、また一から考えているところです」

ヤスさんも「せっかくならタクミの中華料理をみんなに食べてほしいし、絶対おいしいものを作ってくれるはず」と自信たっぷり。「何が提供されるかは、もうしばらくお待ちください。ただ、油淋鶏は本当においしいので、気になる方はぜひTHE HANARE IN SHOCKまで」。

長年のYGM参加で培った経験を活かし、大阪・グラングリーンでどんなショックを与えるのか。今から楽しみだ。

THE HANARE IN SHOCK
住所:大阪市中央区博労町4-3-14 3F
時間:20:00〜03:00
定休日:木
https://www.instagram.com/the_hanare_inshock/

Photo:Shinsaku Yasujima
Text:Keisuke Kimura
Edit:Jun Nakada