IMA:ZINEがYGMで表現するエディトリアルストーリー。

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2017年に大阪・中津で創業した「IMA:ZINE」。「雑誌のような店づくり」をコンセプトに、単なる商品販売を超えた編集的な視点でファッションとカルチャーを発信している。そんな大阪のカリスマショップが、YGMで表現することと期待することとは何か。PRの羯磨さんとディレクターのTANYさんに話を聞いた。

雑誌のDNAを受け継ぐエディトリアルストア。

いまや大阪を飛び出し、日本をも飛び出し、世界にその名を轟かせる「IMA:ZINE」。最大の特徴は、セレクトショップという枠組みを超えた「エディトリアルストア」としてのアプローチにある。

オーナーである岩井祐二さんは10年以上、関西発のファッションカルチャーマガジン『カジカジ』の編集長を務めた経験を持つ。羯磨さんもまた、その後を引き継ぎ、長年編集長として活動してきた。「それらの編集的な視点が、お店づくりの根底にある」とディレクターのTANYさんは言う。

だからこそ、「IMA:ZINE」のショップには“仕入れただけ”のような商品はない。デザイナーやブランドとの深い対話から、その奥にあるストーリーまでもプロダクトに乗せて販売している。

「ただ単にデザイナーさんが思いを込めて作られた商品を買わせていただくだけではなく、実際に展示会に行って、デザイナーさんとしっかり話し込んで、その奥行きを、ストーリーをしっかり自分の中で組み込んだ中で、うちだけでしかできないストーリー性とアイテムを一緒に作る」

まるで雑誌の1ページのように、ひと言では語り尽くせない思いが各アイテムに込められている。今回、YGMでリリースするアイテムもまた、そのひとつ。

アーティストとの深いコラボレーションで生まれる特別なアイテム。

YGMでは「IMA:ZINE」らしい限定アイテムが登場する。メインとなるのは、アーティストLee IzumidaさんとのコラボレーションTシャツだ。

Lee Izumidaさんと言えば、ファッションおよびアートの世界で引っ張りだこのアーティスト。「IMA:ZINE」とは古い付き合いで、過去にはショップで個展を開催したり、コラボレーションアイテムも制作した間柄。

「Tシャツは絶賛制作中」だというが、イメージは「トラ」だそう。トラであることにはいろんな訳があるのだけど、気になる人は、ぜひ会場で聞いてみてほしい。どんなものが出来上がるかは、もうしばらくお待ちを。

もうひとつ、YGMでお披露目となるアイテムがある。長野県の植物とアートのお店「青坊主」と、大阪のブランド「ボクハタノシイ」、「IMA:ZINE」の三者コラボで生まれた植木鉢だ。

ターコイズブルーの植木鉢は、すでに「IMA:ZINE」の店頭でも販売されているけど、今回、鮮やかなピンク色の鉢が初登場する。「ターコイズブルーは9月から販売してるんですけど、めちゃくちゃ売れてます」という人気ぶり。両手におさまる小ぶりなサイズ感で、多肉植物などのお気に入りのプランツを入れて部屋の一角に置けば、部屋全体を明るくしてくれるパワーも持つ。

大阪発のセレクトショップへの思い。

今回のYGM参加について、羯磨さんには特別な思いがある。それは大阪の人間としての「アーバンリサーチ」への親近感だ。

「やっぱり『アーバンリサーチ』は拠点が大阪ですし、ぼく自身も昔から通っていて、買い物もたくさんさせてもらった。知り合いもたくさん働いていますし、他のセレクトショップとは違う特別な思いがありますね」

TANYさんは、「アーバンリサーチ」のブランドとしての価値を独自の視点で分析してくれた。

「特にうちのアイテムって、ひとつのアイテムのパワーはとても強い。一方で、『アーバンリサーチ』は、ファッションの骨組みを整えてくれるというか、ファッションの線をセットしてくれるイメージ。ぼくらの強いアイテムの緩衝材になってくれている。やっぱり、両者が存在しなければ、どんなアイテムも活きてこないと思うんです。それに、上質なカジュアルなものを作ることは一番難しい。それを昔から、ここ大阪から発信してくれているので、羯磨と同じく、ぼくも特別な感情がありますね」

2人の評価からも、大阪のファッションシーンにおける「アーバンリサーチ」は、他のセレクトショップとは違う。現に大阪万博には、アパレルとして唯一出店していたりもする。「アーバンリサーチ」は、おらが町のセレクトショップというわけだ。

YGMと編んでいく新しいストーリー。

今回の出店で最も期待しているのは、新しい顧客層との出会いだ。

「YGMには、中津にも『IMA:ZINE』にも来られたことのないような方たちもたくさんいらっしゃると思います。女性やファミリーなんかは、特にそうかもしれません。でも、そうした方々にも楽しんでいただけるアイテムも意外に多いです。今回が、その入り口になってもらえたらな」と羯磨さん。

また、普段はあまり外部のイベントに参加しない「IMA:ZINE」にとって、今回の出店は心から楽しみにしているという。

「ぼくらってあまり外に出ていかないタイプなので、まずはこの機会をいただけたことがうれしいですし、何よりぼくら自身が楽しみたいですね。あと、グラングリーンがどんな感じになるか、普段接さない人たちがぼくらのアイテムを見てどんな反応をするのか、いまから楽しみです」とTANYさんは言う。

さらに注目すべきは、上述した「IMA:ZINE」オーナーの岩井さんが手がける、無添加ドーナツショップ「City Lights : Donuts」も出店が決定したこと。その味は言わずもがな。あわせて訪問してみてほしい。

さて、YGMという新しいページで、「IMA:ZINE」はどんなストーリーを紡ぎ出すのか。中津で培ってきた編集的なファッション提案が、梅田の新天地でどう受け入れられるかに大きな期待が寄せられる。

IMA:ZINE
住所:大阪市北区中津3-30-4
電話:06-7506-9378
時間:12:00〜19:00(日曜 12:00〜18:00)
https://www.instagram.com/imazine_osk/

Photo:Shinsaku Yasujima
Text:Keisuke Kimura
Edit:Jun Nakada