芯はブレず、新鮮さをプラス。
2年ぶりに開催するYES GOOD MARKET。

interview

2016年から続くYES GOOD MARKET。ショッピングに軸足を置いた大規模なマーケットフェスとして、人気のブランドやショップに加え、アートや飲食などもラインナップし、非日常の空間で買い物を楽しめる。これまでの会場は、静岡県静岡市にある〈エスパルスドリームプラザ〉に始まり、沼津市の泊まれる公園〈INN THE PARK〉、そして〈静岡 PARCO〉や〈伊勢丹 新宿店〉、さらにはオンライン中継での実施と、あらゆる場所で開催されてきた。気になる今回の会場は、〈東静岡アート&スポーツ/ヒロバ〉。その現地でYES GOOD MARKET主催者である〈SEE SEE〉ディレクター 湯本弘通に話を聞いた。

スケートパークを活かした会場。

―2022年のYES GOOD MARKETは開催を見送ったので、2021年の〈伊勢丹 新宿店〉で開催した以来となります。

湯本:そうですね。昨年はいろんな要素が絡まってしまったので、今年に持ち越すことになりました。だから、去年の早い段階から動き出していて、これまで以上に運営スタッフも増えたんですよ。最後に静岡で開催したのは、2019年の〈INN THE PARK〉。久しぶりに静岡で開催できるので、僕も楽しみにしています。

―今回の会場は、ここ、〈東静岡アート&スポーツ/ヒロバ〉です。

湯本:このスケートパークがオープンした当初、僕が管理棟のディレクションをやらせていただいて、それからのお付き合いがあるんです。今年のYES GOOD MARKETの会場を考えた際、いくつか候補がありました。〈INN THE PARK〉は大好評だったし、〈エスパルスドリームプラザ〉の隣にある〈清水マリンパーク〉もよかった。東京で開催するのもいいなと思いました。

―どのような経緯で〈東静岡アート&スポーツ/ヒロバ〉に決めましたか?

湯本:毎回新鮮味が必要だと思っていて、新しい風を吹き込むことを意識しているんです。〈東静岡アート&スポーツ/ヒロバ〉は、隣接している芝生公園でよくイベントが開催されていますが、スケートパーク内でのイベントは、今回のYES GOOD MARKETが初めて。セクションを活かした会場レイアウトにしたらテーマパークみたいにワクワクすると思って、この場所を使わせてもらうことにしました。

―スケボーやBMXをやらないなら、スケートパークに入るのが初めての人も多いと思います。

湯本:現状、90店舗ほどの参加を予定していて、野外スペースにずらりと並ぶ予定。物販と飲食に分けて配置するつもりです。2階建ての構造物を建てるので、普段と違った景色となるはず。セクションに座ってのんびりしながら、買い物をしたり、おいしい食事やお酒に舌鼓を打ったり、楽しんでもらいたいと思っています。

―芝生公園はどのように活用するんですか?

湯本:こちらはゆったりとくつろげるチルスペースに。芝生で飲食するのも気持ちいいと思います。昔、サンフランシスコにある大きな公園、ミッション ドロレス パークに行ったら、芝生で子どもが遊んでいたり、読書をしている人がいたり、各々が自由に過ごしていて、とても素敵だったことを思い出しました。そのように、リラックスしていただければと思います。屋内スペースにも行ってみましょう。

―こちらの屋内スペースでは、なにを?

湯本:アートと音楽を楽しめる場所に。巨大なセクションを活かしてギャラリーとステージを作るので、他のフェスとは異なる空間を体感してもらいたいです。

―今回はミュージシャンによるライブも予定しているそうですね。

湯本:それも初めての試みです。今までは、DJ MUROさんやライムスターのDJ JINさん、HOLE AND HOLLANDなどにDJをお願いしてきましたが、YES GOOD MARKETはあくまでマーケット。気持ちよく買い物をできるようなBGMとしての選曲を、贅沢にもお願いしていました。

―ライブがあるということは、これまで以上に音楽も楽しめそう。

湯本:そうなんです。ステージの反対側にアート作品を展示するので、音楽とアートを同時に堪能できるんです。

―アートもYES GOOD MARKETの見どころですよね。

湯本:メインビジュアルを手掛けてくれたのは、〈GALLERY TARGET〉に所属するジュン・オソンさん。〈伊勢丹 新宿店〉でも出展いただきました。いつも出展いただいているアーティストから初参加のアーティストまで、アートも充実しています。

新たな出会いに、膨らむ期待。

―“非日常空間でのショッピング”というYES GOOD MARKETのコンセプトは変わっていませんが、例年とは違う楽しみが多いです。

湯本:いつものことですが、僕自身も楽しみにしています。今年の3月にロサンゼルスへ行っていて、スワップミートに足を運びましたが、みんな本当に楽しそうでした。コロナ禍で抑制された生活を送っていたので、その跳ね返りが大きいのかな、と思いまして。そんな空間を作りたいですね。

―今年の開催にあたって、例年との違いを意識した部分はありますか?

湯本:これまでと比べると、会場のスペースに限りがあります。そのぶん、内容を濃くすることを意識しました。今回は来場者に上限を設けるので、チケットは早めにお求めいただければと思います。

―空間や雰囲気作りにおいて、変化はありますか?

湯本:今までは、家にいる感覚で心地よくショッピングしてもらうことを考えていましたが、今回はもう少しアクティブに楽しんでもらいたくて。落ち着いた空間より、はしゃいでしまうような空間をイメージしています。

―それがライブを追加した理由なんですね。

湯本:そうなんです。物販以外のアートや飲食の要素も妥協せず、いわゆる“音楽フェスらしさ”をマーケットにプラスしています。

―毎回、出店者も楽しんでいるのが印象的です。

湯本:YES GOOD MARKETをきっかけに繋がっている出店者も多いので、本当に嬉しいです。それもYES GOOD MARKETを開催している理由のひとつ。

―今回初めて参加するブランドやショップなども多いそうですね。

湯本:これまでは、僕の繋がりを中心に出店のお声がけをさせてもらっていましたが、今回は違います。例えば〈URBS〉の村手さんのご提案で参加いただくショップもあって。まだお会いしたことがない出店者が多いので、僕はそれが楽しみで、楽しみで。飲食店も、普段は野外フェスに出店していないお店にもお願いしているので、食事やお酒も楽しみなんです。

―まずは主催者が楽しまなきゃ、楽しいイベントを作れませんからね。

湯本:刺激的な人たちが参加・来場してくれるので、さらに繋がりが広がり、新しいコミュニティが形成されて今後いい方向に動いていくことを願っています。

―当日を楽しみにしています!

湯本:とにかく、あのロサンゼルスのスワップミートのように、僕を含めたみんなが楽しめればいいと思っています。いい買い物をして、美味しい食事とお酒を味わって、最高の音楽を楽しむ。気軽なユルい雰囲気で、みんなでリラックスして笑顔になりたい。それに尽きます。

PHOTO/MASASHI URA TEXT/SHOGO KOMATSU