カルチャー色の強いBarbaric WORKSが作るクラフトビール。

interview

茅ヶ崎に店を構えるビアバー、Gold’n BuB。店構えはアメリカ西海岸を思わせる雰囲気を醸し、ローカルの幅色い人たちが集っているのが印象的だ。このお店の特徴は、自家製のビール。醸造所Barbaric WORKSが店内の奥に併設され、オリジナルのクラフトビールを丹精込めて仕込んでいる。そんなBarbaric WORKSの一杯をYES GOOD MARKETで堪能していただきたい。

個性が異なるクラフトビールをラインナップ。

Gold’n BuBがオープンしたのは2012年。国内のクラフトビールを提供するビアバーとしてスタートし、2016年の移転に伴い、醸造所のBarbaric WORKSを設立した。

立ち上げたのは、ソムリエとして長年飲食に携わってきた経歴を持つPANCHOさん。

PANCHO「Gold’n BuBで提供しているオリジナルのクラフトビールは、10種類。好みに合ったものを選べるようにさまざまなビアスタイルを揃えていて、地元で採れたフルーツを使うなど、季節によって種類を入れ替えているんです。料理のメニューも時期によって変更していますが、基本的にビールに合うものが基準になっています」。

気になる奥の醸造所をヘッドブリュワーの中田隼平さんが案内してくれた。

中田「ビールを作っているタンクは6つ。小さいタンクなので、フル稼働しています。ビールは仕込みから完成まで、1ヶ月ほど掛かるんですよ。思い通りにいかず苦労することが多いけど、最終工程で試飲した時の喜びは大きいし、やりがいもある。周辺にはブリュワリーが多いので、助けてもらっています」。

金属のタンク以外に、まるでワインやウイスキーで使うような大きな樽も。これも使ってビールを作っているそうだ。

中田「これはフーダーという、アメリカで作られた700リットルもあるオークバレルとワイン樽等でビールを熱成させるんです。長いものだと5年ぐらい寝かせます。ビアスタイルの幅が広がるのが楽しみです」。

ビールを軸にクロスオーバー。

中田さんは、もともと都内のメッセンジャーだったが、アメリカでクラフトビールに魅了され、この業界へ飛び込んだそうだ。

中田「アメリカで開催されたメッセンジャーのレースに参加したことがあって。経由地で、スポンサーの現地メーカーがクラフトビールを飲ませてくれたんですよ。そこでおいしさを知り、ハマっちゃいまして。それからメッセンジャーからクラフトビールの輸入代理店に転職して、縁あってBarbaric WORKSの一員となりました」。

アメリカではさまざまなカルチャーと結びついているクラフトビール。それと同じように、Barbaric WORKSも音楽やアートなどとリンクする。

PANCHO「ビールで、いろんな人とコラボレーションしてきました。例えば最近なら、友人のアーティスト、ジョージ•ハヤシが開催した個展で、来場者に振る舞うビールを作りました。ちょうど隼平が新しいビールを完成させたタイミングで、ラベルをどうしようか考えていたところだったので、ジョージ・ハヤシに描いてもらって」。

そして、コラボレーションするのはビールだけではない。

PANCHO「沖縄で活動するタトゥーアーティストのJINと一緒に、シャツとパンツのセットアップを作るなど、たまにアパレルも作っています。アパレルの生産はOTT WORKSにお願いしています。繋がりの深い仲間たちと一緒に、ビール以外にモノ作りもしているんですよ」。

その繋がりは、店内を見渡せば一目瞭然。お店を訪れた仲間たちのステッカーが貼られ、壁にはハードコアパンクシーンで活躍するアーティストのMASATO OKANOさんやGRINDLODGEのカトチンさんなどが作品を描いていて、さまざまな人たちがここを訪れていることが分かる。

ビールを起点に、さまざまなアプローチを仕掛けるBarbaric WORKS。YES GOOD MARKETでは、どんなビールを出してくれるのだろう。
PANCHO「昨年、充填機を導入して缶ビールも作れるようになったので、今年のYES GOOD MARKETでは生ビールと缶ビールをご提供しようと思っています。日中は暑いと思うので爽快感があってキリッと飲める、日が暮れたらまったりと飲める、といった感じで時間帯に合わせて楽しんでいただけるようなビールをいくつか持って行きます」。

PHOTO/KAZUKI MURATA TEXT/SHOGO KOMATSU