SO SHOP & HOSTEL NAKAMEGUROのセレクトとオリジナルアパレル。

interview

注目のアパレルショップや飲食店が軒を連ねる中目黒。日夜、多くの人が行き交う目黒川を越え、喧騒から少し遠ざかった場所にSO SHOP & HOSTEL NAKAMEGUROはひっそり佇んでいる。入口は狭い路地の先にあり、まるで隠れ家、注意しなければ通り過ぎてしまう。ここは、2018年にオープンしたセレクトショップ。多種多様なラインナップを揃え、その独自性が人を呼び寄せている。そんな人気店が今年のYES GOOD MARKETにも出店してもらうが、限定アイテムを仕込んでいるそうだ。

幅広いブランドを柔軟にセレクト。

築60年以上の古民家をリノベーションして完成したSO SHOP & HOSTEL NAKAMEGURO(以下、SO)。レトロな引き戸のエントランスをくぐり廊下の先を曲がると、ショップのフロアが広がっている。梁や柱を元のまま活かした店内は天井が高く、ノスタルジーと新鮮味が同時にこみ上げる不思議な空間だ。

店内を見渡すと、感度の高いファッション好きから支持されているブランドから期待の新鋭ブランドまでが並ぶ。その取り扱いは幅広く、特に気になるのは初めて目にするような海外のブランド。SOのディレクターを務める河野玲王さんに、そういった海外のブランドをセレクトしている経緯を聞いてみた。

河野「このお店は分かりにくい場所にあるから、フラッと来てくれるお客さんが少ないんですよ。だから、ほかに多くのショップが取り扱っているブランドだけを販売しても、わざわざ来てもらう意味がないし、僕らも楽しくない。売れ線は気にせず、僕らがいいと思ったらセレクトしています」。

河野「当然のことですが、売る側が本当にアイテムをカッコいいと思っていないと、お客さんに失礼じゃないですか。インスタでも海外ブランドをディグっていて、フォロワーが300人くらいのブランドでも、カッコよければ仕入れているんです。特に最近、海外のブランドの取り扱いが増えています」。

SNSが生活の一部となり、手軽に世界中と繋がれる現代。いくらでも情報を集められる反面、自分自身が抱く関心の外に目を向けるのは骨が折れてしまう。だからこそ、守備範囲外のモノと出会えるかもしれないSOのラインナップはおもしろい。洋服のほかに雑貨も豊富に取り扱っていて、ライフスタイルの大部分をフォローする。

河野「お店にコンセプトはなく、セレクトのルールも設けていないんです。日本じゃほとんど知られていないけど、カッコいいブランドと出会えるお店にしたいのが、理想像のひとつにあります」。

河野「ネットで見つけたアイテムだけを目掛けて買い物に行くより、思わぬ出会いに物欲が刺激されるほうが楽しいじゃないですか。それがお店に足を運んで買い物する醍醐味だと思っていて。ゆったりしているお店だから、お客さんとスタッフの距離も近いんです。いろんな会話をしながら買い物を楽しんでもらいたいです」。

シンプルに仕上げたSOのオリジナルアパレル。

そんな多彩なラインナップのなかに、SOのオリジナルアパレルも。セレクトしているアイテムは、目を引くグラフィックやユニークなパターンなどの個性的なウエアが多いが、SOのオリジナルアパレルはシンプルに徹している。ロングセラーのTシャツを始め、シャツやシェルやパンツなど手の込んだアイテムも、デザインを削ぎ落とした仕上がりに。この日、河野さんが着用していたロンTもSOのオリジナルアパレル。プリントなどのデザインはあしらわれていないが、ゆったりとしたシルエットや細い袖のリブなどにこだわりを感じる。

河野「僕は昔からデザイナーズブランドもストリートブランドも大好きで、いろんなスタイルを経て今のファッションに落ち着いています。SOに来ていただくお客さんの年齢層は、20代から40代まで幅広く、さまざまなファッション遍歴を持っている人が多いんです」

河野「デザインに魅力を感じても、今の自分のスタイルと合わないこともあるじゃないですか。そういったお客さんにもシンプルなデザインは反応していただけるし、取り扱っているブランドのデザインともケンカせずに相性がいい。オリジナルアパレルは僕らが着たいものを純粋に作っていて、さまざまなウエアをサンプリングしたり、バックボーンを取り入れたりしています」。

YGM仕様のオリジナルアパレルやコラボレーションアイテムを製作。

そのオリジナルアパレルが、YES GOOD MARKETでは限定デザインとなって販売される。

左胸にショップ名が施された人気の刺繍Tシャツに、YES GOOD MARKETのロゴをプラス。シンプルだが、さりげなく主張するデザインがSOとYES GOOD MARKETらしさを感じさせ、夏のコーディネートで活躍すること請け合いだ。

河野「ショップのオリジナルTシャツをYES GOOD MARKET仕様に。SOでは展開していないスカイブルーも用意しました。ボディはMADE IN U.S.A.のGOATを使っているので、比較的お手頃な価格。お土産感覚で手に取っていただければと思います。ちなみに、このTシャツはまだサンプルで、タグはSOのものに変更されます」。

SOのオリジナルアパレル以外もスタンバイ。is-nessが展開する、ミュージック&カルチャーとファッションを融合したラインISNESS MUSICに、SOがTシャツを別注。

河野「SOでis-nessを取り扱っていないのですが、特別にコラボレーションしていただきました。バックプリントにはYES GOOD MARKETのロゴ入りです」。

そして、YES GOOD MARKETのために、ほかにもまだコラボレーションを控えているそうだ。
河野「まだサンプルが上がってきていないのですが、CITY COUNTRY CITYとショーツを作っています。CITY COUNTRY CITYは店頭でも人気で、僕らもコラボアイテムの完成を楽しみにしています」。

そしてYES GOOD MARKET当日、SOで買い物をするとこちらのショッピングバッグとタオルをプレゼントするそうだ。

河野「SOのオリジナルTシャツで人気の、空港コードのステッカーをモチーフにしたデザインをトートバッグ落とし込みました。文字をYGMに変更し、イベント開催の日程を記載。ちなみにこれと同じデザインのTシャツも販売します」。

ほかでは手に入らない、YES GOOD MARKET特別仕様のアイテムを豪華に揃えてくれたSOのブースはファッション好きなら見逃せない。ぜひ当日を楽しみにしてもらいたい。

PHOTO/MASASHI URA TEXT/SHOGO KOMATSU