
ゆったりとした街の雰囲気が心地いい目黒区五本木には、感度の高い、個性豊かなショップが集まっている。今年のYES GOOD MARKETに初めて出店するセレクトショップ、+81 PLUS EIGHTY ONEもそのひとつ。“シームレス”をコンセプトに掲げて厳選したブランドのラインナップは良質で、目を見張るものがある。確かな審美眼でセレクトしているのは、ファッションディレクターの髙島涼さん。
ファッション業界のニューカマー。
コンクリートの壁面と大きな木枠の窓、店内に飾られているオブジェやアートの数々。外装やインテリアからも洒落っ気が漂う+81 PLUS EIGHTY ONE。このお店を立ち上げた髙島さんは、建築士からアパレルに転身したというから、洒脱な店づくりに納得がいく。


髙島さんは、2018年からInstagramやYouTubeでスタイリングの提案やアイテムを紹介し始めて、圧倒的なフォロワー数から支持を得る。ブランドのディレクションやコラボレーションを手掛けて着実にキャリアを積みながら、2021年に+81 PLUS EIGHTY ONEをオープンした。

ファッション業界内からの評価も高く、東京コレクションのプロジェクト「FASHION PRIZE OF TOKYO 2024」の審査員のひとりに抜擢され、小木“Poggy”基史らと肩を並べるほど。

ジャンルの垣根を超えたセレクト。
そんな髙島さんがアイテムをセレクトしている+81 PLUS EIGHTY ONEは、“シームレス”をコンセプトに掲げているとおり、ラインナップはジャンルレス。ドレスやカジュアルを織り交ぜた、幅広いテイストが店頭に並んでいる。
髙島「僕自身、いろんなテイストのブランドをMIXしてコーディネートすることが多いので、お店のセレクトもジャンルにこだわっていません。仕入れるのは、直感でかっこいいと思えたブランドです」。

デビューしたばかりのブランドもセレクトしていて、それも魅力のひとつと話す。
髙島「少しでも気になるブランドがあれば展示会にお伺いさせてもらっていますし、1stシーズンからお世話になっているブランドもたくさんあって。勉強させてもらいながら、一緒に成長していくのが理想です。かっこいいブランドがたくさんあるので、ブランド数が増え続けているんです。お店の真ん中のラックはオープン当初はなかったけど、増設したくらい」。
ショップの別注でニュアンスをプラス。
+81 PLUS EIGHTY ONEは別注も積極的。毎シーズン、3〜4ブランドとタッグを組んでエクスクルーシブなアイテムを展開する。

髙島「例えば、このシャツはSHINYAKOZUKAの別注。素材やディテールを変更していただきました。他のブランドでも、僕が個人的に気に入っているアイテムの仕様を変えてもらったり、ブランドのアーカイブの復刻していただいたりしています」。
髙島さんはブランドCLESSTEもプロデュース。コンセプトは“日本の職人技と美意識をより身近に”。日本の伝統技術や工芸を落とし込んだプロダクトを発信して、なんと4割ほどは海外からの注文。日本のもの作りの注目度の高さを実感しているそうだ。

髙島「デニムはSHIOTA、レザーはITTIなど、各素材のスペシャリストにサポートしていただいています。工場にもお邪魔して、生産現場を見学させてもらったら、職人のみなさんは本当にかっこよかった。作り手の思いを知ると、より温もりを感じて、もっと洋服が好きになりました。そういったところも発信していきたいと思っています」。
初のマーケットイベント。
定期的に全国各地でポップアップを開催している+81 PLUS EIGHTY ONEだが、髙島さんの出身地でもある静岡ではまだ未開催。今回のYES GOOD MARKETは、初の地元での出店となるため、楽しみにしているそうだ。

髙島「普段オンラインで購入していただいているお客さんともお会いできるので、ポップアップが好きなんです。洋服に触れてもらいし、直接話したい。今回のYES GOOD MARKETでは、お店で販売しているアイテムを持っていくし、YES GOOD MARKETのために制作したTシャツやバッグも販売します。マーケットイベントに参加したことがないので、売ることよりも、自分たちが楽しみたいですね」。
PHOTO/SATOSHI OMURA TEXT/SHOGO KOMATSU