個性を磨き続けて約50年。関西を代表するセレクトショップ・LOFTMAN。

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京都と東京から色々な業態のお店が「YES GOOD MARKET」にはたくさん集まる。その中には、真似したくても真似できない長い歴史を持つお店がある。今回紹介するのはそのひとつ。栄枯盛衰の激しいファッション業界で、50年近く最前線を走り続けてきた、京都が誇るセレクトショップ「LOFTMAN」について。

お店の個性は失われない。

東京や大阪にも店を構える、京都発の「LOFTMAN」。関西の老舗セレクトショップの代名詞のひとつとして知られている。その創業は、1976年にまでさかのぼり、来たる2026年には50周年を迎える。なんと同い年には、「ビームス」がいる。

ただし老舗とはいえ、店頭には今のファッションシーンを象徴するようなブランドもしっかりと揃っている。

「京都には4店舗あり、寺町京極商店街というアーケードにあります。それぞれ得意分野が異なり、『LOFTMAN1981』は〈NEEDLES〉や〈orSlow〉など日常着のほかインポートものが中心、『LOFTMANCOOP』は〈PATAGONIA〉などのアウトドアブランドのほかデザイナーズブランドものが中心で、『LOFTMANCOOP ‘Ohana』はそのレディース版。『LOFTMAN B.D.』はアメリカントラッド寄りで、〈ENGINEERED GARMENTS〉、〈NEAT〉などが揃っています」

こう話してくれたのは、大学在学中から京都の「LOFTMAN」で長らく働き、現在は大阪のショップマネージャーを務める中川さん。

中川「『LOFTMAN』の各店では、それぞれ何をセレクトにしているのか、お互いに詳しくは知らないんです(笑)。というのも、オーダーを各バイヤーや店長に一任されていてトップダウン式じゃないので。お店によってサイズ感もバラバラで、このお店はS~M、こっちはM~Lとか、そんな具合です。あくまで自分の所感ですが、『LOFTMAN』は全体というよりも、各店舗ごとにお客様がついてくださっています」

つまるところ、「LOFTMAN」はしっかりとお店にカラーがあり、そのカラーに惹かれたお客さんとお店で働くスタッフとのコミュニケーションで成り立っている、いわば古き良き時代の店と言えるのかもしれない。服屋に個性がなくなったと言われて久しいこの時代に、お店ごとに個性があるというのは、それだけでなんだかうれしくなってしまう。

中川「“人がすべて”と(創業者である)会長が思ってくれているからかもしれません。それがいまの代表を経て、僕らの代にも受け継がれていて、『LOFTMAN』ではバイヤーをはじめとするスタッフの裁量が大きいんです」

LOFTMANのブースに並ぶもの。

「YES GOOD MARKET」では、「LOFTMAN」のブースに何が並ぶのだろう?

中川「9月上旬はまだ暑そうなので、夏物のTシャツや小物などが中心になりそうですが、各店スタッフの協力のおかげで、いろいろと面白そうなものが集まりそうです。僕なんかは、某アウトドアメーカーが取り組んでいる海洋ごみをリサイクルして作るハンガーやカラビナなどを並べられたらなと。あとは、バイヤー各々が交流のあるブランドと企画を進めていて、コラボ商品や先行発売の商品,、このイベントだけの商品などを並べる予定ですが、詳しくはまだ未定な部分も多いので焦っています(笑)」

何が出るのかというドキドキと、スタッフ側の驚かせてやろうというワクワクが来場者を待ち構えているというわけだ。聞けば、今回のようなイベント出店は、「LOFTMAN」では珍しいとのこと。では、当日はどんなふうに楽しむつもりだろうか。

中川「地元だから、京都のお客さんはいっぱい来てくれると思いますし、『LOFTMAN』らしさを損なわないように、お客様とのめっちゃ近い距離感を楽しみつつやりたい。あとは、ウチは店舗ごとにカラーがあるので『LOFTMAN』らしいブースの世界観も楽しんで欲しいですね。自由にやらせてもらえるので、京都の“顔”となっているスタッフをぜひ連れていきたいと考えています。東京からもアパレルやフードのお店もいらっしゃるとのことなので、京都の人たちも含めて、全部が混ざり合って、新しいコミュニケーションができればと。あわよくば、ビールぐらい飲みながらやりたいですね(笑)」

LOFTMANCOOP KYOTO
住所:京都府京都市中京区円福寺前町280
電話:075-212-5352
時間:平日12:00〜20:00 土日祝11:00〜20:00
Instagram:@loftmancoop_kyoto

Photo:Shinsaku Yasujima
Text:Shinri Kobayashi
Edit:Jun Nakada